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2008 年度 実績報告書

高階調古文書画像解析・分類手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500218
研究機関龍谷大学

研究代表者

岡田 至弘  龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)

キーワード古文書画像処理 / 地図画像解析 / 劣化画像復元
研究概要

古文書の文字領域内の墨の濃さの変化から運筆に関する特徴抽出アルゴリズムの研究を実際のシルクロード由来の文書を対象に検討を進め、その有効性を検証した。ここでは、文書の媒体である古代紙の性質を精査し、紙の繊維の走向と紙漉きにおける繊維の分散の仕方によって表面的に計測できる高階調画像のデータの補正が必要となることを、実験によって明らかにした。計測(高階調画像撮影)において、古文書表面の反射計測だけでなく、均質なバックライト照明による透過光計測データも併せて利用することにより、紙の性質に左右されない墨書きそのものの特徴を把握できることを示した。この手法は、紙だけでなく絹本などの媒体に対する墨書解析にも十分適用可能なことを平成19年度に続き、世界最古の世界地図である中国(元:1402年)由来の地図上の劣化文字(文字領域は、墨書および他地形図は染料)の濃淡解析にも適用し、鮮明な墨書文字復元と、絹本の織目解析からの幾何的補正による精緻な原典画像の復元結果を得た。
高階調画像の撮影においては、平成19年度までに確立した国際標準の方法である、デジタルカメラバックによる大判デジタルカメラによる高精細記録(400DPI以上)撮影と、RGB各16ビットによる高階調表現および標準カラーチャートによるCMSの適用により均質な画像記録が日本を含む6ケ国による高階調画像DB(国際敦煌プロジェクトデータベース:略称IDP URL http://idp.afc.ryukoku.ac.jp/)として公開され平成20年度末においては22万点以上の高階調画像の集積が行われ、本研究課題において得た墨書に関する特徴抽出アルゴリズムの適用とその有効性の実証を進めた。また日本側の画像データにおいては、バックライト照明による撮影データも併せて公開し、紙の繊維・漉き方に大きく依存する墨書解析の方法が大きく改善でき得る事を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 特徴点の三角形分割による画像の対応付け2008

    • 著者名/発表者名
      岡田, 若間, 芝
    • 学会等名
      電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2008-11-27
  • [学会発表] 大谷コレクション「本草集注序録」・「比丘含注戒本」用紙の科学分析2008

    • 著者名/発表者名
      岡田、坂本、江南、森、滝澤、河野
    • 学会等名
      日本文化財科学会第25回大会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2008-06-14
  • [学会発表] 大谷コレクション五代時代経典「維摩詰所説経」, 「妙法蓮華経」の用紙の科学分析2008

    • 著者名/発表者名
      岡田、坂本、江南、土屋、河野、増田
    • 学会等名
      日本文化財科学会第25回大会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2008-06-14
  • [備考]

    • URL

      http://idp.afc.ryukoku.ac.jp/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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