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2009 年度 実績報告書

習慣行為の構造:その柔軟性と時間系列

研究課題

研究課題/領域番号 19500221
研究機関東京大学

研究代表者

佐々木 正人  東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10134248)

キーワード特定性 / 習慣 / スキル / 姿勢 / 環境のレイアウト / アフォーダンス / 行為の柔軟性 / ダイナミクス
研究概要

今年度は以下の研究を行った。
(1)特殊な運動習慣としてけん玉の「ふりけん」という技の運動を解析した。その結果、熟練者群は初心者群よりよく運動しており、特に垂直方向への運動量の違いが顕著であった。熟練者群においては初心者群と比較して全体として運動する玉と身体との運動が協調していたのだが、特に運動する玉と協調していたのは、頭部(見ることに関連する身体部位)であった。熟練者群では、そのカップリングを達成するようにけん玉で重要だと言われる膝の運動を制御していたと考えられた。一方初心者群では、玉の運動に対して身体はスタティックな運動をしていた。頭部運動と玉の運動との頑強なカップリングとそれを支える膝の運動に特徴づけられる熟練者の姿勢制御は、ふりけんをするときに自転をして運動する玉を行為者にとって見やすいものにすることに寄与していたと考えられた。
(2)一般的な運動習慣として「寝返り運動」を取り上げ検討した。寝返り運動には様々な運動パターンがあることが複数の研究で示されており、個々人ごとの身体特性に応じて個人ごとに選好される遂行パターンがあることも指摘されている。乳児が寝返り運動を獲得していく発達過程の観察では、様々な動作の生起頻度の変動のなかで乳児は後の寝返り運動に繋がる運動パターンを彫琢していくこと、身体運動の傾向がその発達過程に関与していることが示唆された。
これらの質の異なる習慣行為についてそれを解析する方法論についての方向性を確認し、さらに一定の事実についてデータを得た。習慣の基礎構造についてある程度の基礎的事実を得た。(664字)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] When a Toddler Starts Handling Multiple Detached Objects2009

    • 著者名/発表者名
      Tetsushi Nonaka, Masato Sasaki
    • 雑誌名

      Ecological Psychology Vol.21(2)

      ページ: 155-183

    • 査読あり
  • [学会発表] けん玉操作における巧みさと知覚2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤万利子・三嶋博之・佐々木正人
    • 学会等名
      日本心理学会第73回大会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-08-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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