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2009 年度 実績報告書

適応的ヒューリスティックスに基づく人間の推論と判断の統合的枠組みの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500229
研究機関立命館大学

研究代表者

服部 雅史  立命館大学, 文学部, 教授 (50301643)

研究分担者 服部 郁子  立命館大学, 文学部, 講師 (60425014)
キーワード因果推論 / 論理的推論 / 確率判断 / 対称性推論 / 計算論的モデル / 認知科学 / 実験系心理学
研究概要

本研究は,推論と判断に関する適応的ヒューリスティックを実験的・計算論的に明らかにし,多様な現象を統合的に説明する理論的枠組みを構築することを目的として実施された.研究内容は,因果帰納モデルの発展的展開(研究I),推論と判断の統合的説明(研究II),概念構造とシンボル操作(研究III)の3つに分割されるものである.
今年度は,主に研究IとIIを実施した.まず研究Iについては,記憶検索の観点から因果モデルを見直して展望を行い,この分野の研究の今後の展開方向を模索した.
研究IIについては,第1に,これまでわれわれは論理的推論や因果帰納について等確率性仮説が有効であることを提唱してきたが,基準率錯誤(有名な確率判断錯誤の1つ)の説明に対しても,この仮説が最も有効であることを明らかにした.この研究成果は,国際誌上に論文として発表された.さらに,従来の基準率無視の考え方では基準率錯誤が説明不可能であることを明らかにした,この研究成果は国際学会で公表された.
第2に,理論的枠組みを新たにモンティ・ホール問題(有名な確率判断課題の1つ)に拡張した.課題の因果構造の分析により,この課題の本質的な困難さが,因果構造の不明確さにあることを示唆した.すなわち,この課題も等確率性仮説の枠組みの中で捉える事が可能であることが示された.この研究成果は,研究会において発表された.
第3に,等確率性仮説が仮説検証のプロセスにおいても有効であることを明らかにした.この成果は,国内の学術雑誌上に論文として発表された.

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 仮説検証過程における確信度更新と検証系列:情報獲得モデルによる検討2010

    • 著者名/発表者名
      田村昌彦・服部雅史・三輪和久
    • 雑誌名

      認知科学 17(1)

      ページ: 180-195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 対称性認知科学の論点と広がり2009

    • 著者名/発表者名
      服部雅史・山崎由美子
    • 雑誌名

      認知科学 16(1)

      ページ: 120-121

  • [雑誌論文] 理論と論理2009

    • 著者名/発表者名
      服部雅史
    • 雑誌名

      認知科学 16(4)

      ページ: 471-472

  • [雑誌論文] Why does the base rate appear to be ignored?The equiprobability hypothesis2009

    • 著者名/発表者名
      Hattori, M., Nishida, Y.
    • 雑誌名

      Psychonomic Bulletin & Review 16(6)

      ページ: 1065-1070

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 因果推理における2つのシステムと長期記憶の検索2009

    • 著者名/発表者名
      服部郁子
    • 雑誌名

      立命館人間科学研究 20

      ページ: 93-105

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      望月昭, 他編
    • 雑誌名

      「対人援助学」キーワード集(pp.120-121項目:「推論」)(晃洋書房)

      ページ: 120-121

  • [学会発表] 推論の対称性と因果性:等確率性仮説の射程と展望2010

    • 著者名/発表者名
      服部雅史
    • 学会等名
      第4回内部観測研究会(招待発表)
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2010-03-07
  • [学会発表] 推論と判断の等確率性仮説:非対称な関係についての対称性推論のバイアス2009

    • 著者名/発表者名
      服部雅史
    • 学会等名
      第10回関西若手実験心理学研究会(招待講演)
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] Not the base rate but the imbalanced structure does matter2009

    • 著者名/発表者名
      Hattori, M., Nishida, Y.
    • 学会等名
      The 30th Annual Conference of the Society for Judgment and Decision Making
    • 発表場所
      Sheraton Boston Hotel, Boston, MA
    • 年月日
      2009-11-22
  • [学会発表] 因果判断における因果強度と確実性の役割2009

    • 著者名/発表者名
      服部郁子
    • 学会等名
      日本認知科学会第26回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2009-09-12
  • [図書] 『「対人援助学」キーワード集』(p.161項目:「統計的検定」)2009

    • 著者名/発表者名
      望月昭, 他編
    • 総ページ数
      161
    • 出版者
      晃洋書房
  • [備考]

    • URL

      http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~hat/symmetry/

  • [備考]

    • URL

      http://research-db.ritsumei.ac.jp/Profiles/38/0003752/profile.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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