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2008 年度 実績報告書

操作プロセスの脳内表象の多面的アプローチによる解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500231
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

梅村 浩之  独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (10356587)

研究分担者 杉尾 武志  同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (60335205)
キーワード認知科学 / バーチャルリアリティ / 視知覚 / 操作
研究概要

本年度はインターフェース装置を通した操作行動が外界の解釈に影響を与える事態についての知見を増やすための心理実験をおこなった.実験では,被験者にインターフェース装置(タッチパネル,3次元入力装置)を介して物体操作時の知覚と,自動的に運動する物体の知覚とを比較した.その結果,1)操作対象である3次元物体の形状知覚はより正確な形状となる.これは運動からの形状復元における剛体性の仮定への信頼度が操作行為によって増加するためではないかと予想されること,及び2)視点と物体が同時に運動するとき,操作時には視点と物体が一緒に動いているように知覚されやすく,自動運動時には,視点と物体の移動が別々に知覚されやすいことが示された.これらの結果は外界の解釈において運動の原因としての自己運動が影響を与えることを示唆している.その一方で,力覚の呈示が外界の解釈に及ぼす影響は期待したほどの結果は得られなかった.これは画面と装置間の距離といったセッティングの問題や学習過程の問題であると考えている.
手と道具のインタラクションのパターンに基づいた道具の分類メカニズム研究では日常生活における操作行為のスムーズさが,どのような認知過程により実現されているかを検討した.まず,手と取っ手の向きの関係が把持とパントマイムの運動変数に及ぼす影響を検討し,低適合条件で視覚的フィードバックによる手形状の修正時間が長くなることを明らかにした.次に,Stroop課題で標的に関連がある物体を事前提示することで標的に対する手形状の生成が促進された.さらに,音に対して対象を予測させる実験で,予測外の対象提示時に視覚的フィードバックによる修正時間が長くなった.これらは,スムーズな操作行為において運動プログラムを文脈によって予測的に利用することの重要性を意味している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Interpretation of optic flows synchronized with observer's hand movements2009

    • 著者名/発表者名
      H. Umemura, H. Watanabe
    • 雑誌名

      Vision Research 49

      ページ: p834-842

    • 査読あり
  • [学会発表] 操作行動により生起した運動からの3次元構造の復元2008

    • 著者名/発表者名
      梅村浩之 渡邊洋
    • 学会等名
      日本バーチャルリアリティ学会VR心理研究会
    • 発表場所
      東京ミッドタウン デザインハブ セミナー室
    • 年月日
      2008-12-23
  • [学会発表] 物体の向きと行為の適合性が運動学的変数に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      杉尾武志
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 操作行動が運動からの構造復元に及ぼす影響2008

    • 著者名/発表者名
      梅村浩之 渡邊洋
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2008-09-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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