研究概要 |
平成19年度は,主に以下の3項目について研究を行った. 1.遺伝的差異Fstの遺伝子座間変動を捉える確率モデルの検討 ニシンなどの水産資源のデータを利用して,遺伝的差異Fstの変動の可能性,およびその変動パターンについて予備的考察を行った.また,Fstの遺伝子座間変動のモデリングを検討し具体的に階層モデルを作成した. 2.精度の高い推定方法と効率的なアルゴリズムの開発 上記の1の階層モデルに含まれるパラメータの推定法を検討した.モデルの尤度関数を表現し,次に階層構造に含まれる潜在変数の周辺化,そしてパラメータの推定精度を向上させるための積分尤度の構築を行った.また,積分尤度の最適化のためのアルゴリズムの検討とプログラムの開発を行った. 3.連鎖不平衡を伴う場合へのモデルの拡張を吟味 連鎖不平衡を伴うSNPsデータを想定し,2対立遺伝子かつ多数の遺伝子座からのデータを想定したモデルを吟味した.この検討結果は,20年度に実施予定の発展的モデリングの基礎となる.
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