研究概要 |
1.既存のSkolemタイプ系列は,系列内の要素同士の位置の隔たりだけによりその性質が特徴づけられる系列であるが,本研究では最適な衝突回避符号を構成するための道具として,要素同士の位置の隔たり,もしくはその位置の和で内部構造を特徴づけられるような新たな整数系列extended odd sequences with doubly even integers latentlyを定義し,この系列を用いて未解決であった符号長n≡4(mod8)に関して重み3の最適な衝突回避符号の直接構成法を与えることができた。この結果と過去の研究成果を合わせることで,重み3の衝突回避符号で最大符号語数が未解決なものは,符号長nが奇数のときを残すのみとなった。なお,最適な衝突回避符号を構成するために必要となったextended odd sequences with doubly even integers latentlyそのものの構成法も同時に与えた。 2.衝突回避符号は相互相関特性のみを考える符号であるが,スペクトラム拡散通信で用いられる周波数ホッピング系列は,この衝突回避符号に自己相関特性を付加したものと考えることができる。本研究では,単系列としての最適な周波数ホッピング系列についてではなく,複数系列の集合として,最適性の尺度となる既知のいくつかの符号理論的限界値を満たすものの構成法を示し,最適な周波数ホッピング系列の集合としての新たなパラメータ系列を得た。この結果は,IEEE Transactions on Information Theoryに掲載された。
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