研究課題/領域番号 |
19500242
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
橋本 紀子 関西大学, 経済学部, 教授 (60198687)
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研究分担者 |
渡邊 公夫 早稲田大学, 教育総合科学学術院, 教授 (50015913)
渡邊 美智子 東洋大学, 経済学部, 教授 (50150397)
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キーワード | 統計教育 / 数学教育 / 学習支援教材 / 教育用データ / 授業ワークシート / パソコン支援 / 解説テキスト / モデル授業 |
研究概要 |
小・中学校における新しい学習指導要領で、これまで以上に統計教育を重視する方向が示されたことを受け、平成20年度は、昨年に引き続き、これからの日本における統計教育のあり方を模索するとともに、算数・数学の分野では新指導要領の前倒し実施が行われるため、その学びのために必要な学習支援環境の提供の準備作業を行った。 新しい時代に応じた統計教育を先駆的に導入し、成功を収めた国々、例えばニュージーランドやイギリスの教材開発・提供サイトの内容について、把握・紹介(翻訳)・啓蒙に努めた。この中で、特に注目した動きが三つある。一つは多くの英連邦諸国が参加する、児童・生徒参加型の、データアーカイブ作成機能を持つシステムCensus At Schoolである。本年は、日本の児童・学生がこのシステムに参加し、データアーカイブを作成する枠組みづくりの動きに協力を行った。また、既に運用している国々で、このシステムで得られたデータがどのように教材として利用され、統計を生きた形で学ぶことに役立っているか、このシステムの可能性について、広く啓蒙活動を行った。二つ目に、英国のデータにもとづく教材提供サイトstats4 schoolsである。このサイトは、データのみならず、それを用いて統計を活用した授業を行っていく上での様々な支援ツール(教材やワークシート等)の提供を行っている。本年は、このサイトの内容や方向性を咀嚼し、日本に導入した際の可能性、問題点について検討を行った。その上で、日本におけるデータ提供サイトの方向を見い出し、その実現に向けて教材開発を開始した。三つ目は、フリーのオープンソースソフトウェアであるデータ解析環境「R」である。本年は、Rによる日本語教材ツールサイトを開設するために、各国ですでに開発された教材の選定および日本語化作業を進め、また、Rに組み込まれた教育開発用機能を利用した、日本の環境に即した独自の教育用パッケージの開発を進めた。
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