研究概要 |
本研究では,データ解析環境や統計教育環境にXMLを活用することにより実現可能な様々な取り組みを試行し,その成果を活かしたシステムを構築することを目的として,今年度については以下の研究を実施した.(1)インタラクティブ・ダイナミックグラフに関する研究(担当:藤野,下川)ヒストグラム,ボックスプロットなど基本的な統計グラフについてのSVGによるグラフのプロトタイプを作成し,作成したグラフについては,RのXMLグラフ作成パッケージの更新という形で随時公開した.(2)探索的データ解析のための統計的グラフ表現法に関する研究(担当:山本,下川,久保田)山本はクラスター分析の視覚的表示法,下川はデータ適応型統計解析,久保田は空間統計における視覚化法について研究を行い,適切な文献への投稿を行う.(3)統計学習のためのティーチウェアに関する研究(担当:飯塚,藤野,久保田)いくつかコンテンツをSVGにより作成し,ティーチウェアとして公開した.(4)複数のXMLの融合的利用に関する研究(担当:山本,藤野)XMLの複合的な利用について,Web2.0を意識したWebページの研究を実施し,複合的なページを作成した. XMLはさまざまな領域における標準データフォーマットを規定するものであるが,今年度については,2次元のグラフを実現するSVG(Scalable Vector Graphics)に注力しプロトタイプの作成などを実施した.また,上記の研究成果を踏まえ,来年度以降により効果的なWebにおける視覚化法について研究を行うための研究会を実施した.Webにおける統計グラフを利用した視覚化に対応する要求は高く,本研究の成果を広くアピールすることにより,波及効果が期待できる.
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