研究課題/領域番号 |
19500254
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
田口 善弘 中央大学, 理工学部, 教授 (30206932)
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研究分担者 |
小山 時隆 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助手 (30324396)
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キーワード | 非計量多次元尺度構成法 / マイクロアレイ / シアノバクテリア / 概日周期 / 分裂酵母 / 細胞分裂周期 / DNA copy number variation / プロテオミクス |
研究概要 |
非計量多次元尺度法を用いて様々な生体生命情報を解析した。非計量多次元尺度構成法は対象要素間の非類似度を順序尺度に変換した後、その順序尺度を満たすように計量空間に対象物を付置する手法である。順序尺度のみを用いるために、要素間の非類似度に内在がちのエラーの影響を最低限に抑える能力がある。このため、要素の数が多い、高次元のデータの可視化、特徴抽出に大きな機能を発揮することが期待される。本年度はこの手法を以下のような諸対象に対して適用して結果を得た。 シアノバクテリアのレポーター遺伝子を用いた遺伝子発現度の解析においては、全ゲノムのデータが出揃い、夜間の一斉シャットダウンと昼間の遺伝子ごとの振動で発現度の理解が可能であることを確認した。分裂酵母の細胞分裂周期のマイクロアレイデータの解析では、細胞周期遺伝子の特定を正弦回帰を用いずに行うことに成功した。マイクロアレイとプロテオミクスの比較により、六種類の臓器における発現パターンの比較を行い、特定臓器で発現している遺伝子を特定できた。遺伝子のコピー数異常の解析では、コピー数異常を起こしている遺伝子の特定を行うことに成功した。また、遺伝子発現プロファイルからがん細胞と正常細胞の弁別を行うことができることがわかった。さらに、Barcode of Lifeを用いた種同定の解析では、高次分類群の同定に、順位尺度が有利であること、従って、非計量多次元尺度構成法を用いるのが適当であることを確認した。
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