研究課題
非計量多次元尺度構成法は、要素間の非類似度を順序尺度に変換した後でユークリッド空間に埋め込む可視化手法である。本研究ではこれを以下のテーマに応用した。1.がん細胞のマイクロアレイによる判別、良性と悪性(転移)の腫瘍の判別は難しく、これをマイクロアレイの結果を用いて行おうという研究がなされている。我々は、マイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルを非計量多次元尺度構成法で解析してから判別分析を行うことで、従来の遺伝子選択を伴う方法と同等以上の成果を上げることができることを示した。2.プロテオミクスとマイクロアレイのメタ解析、プロテオミクスとマイクロアレイは、共にコーディングRNAの発現レベルを解析する実験手段であるが、転写と翻訳レベルでの観測であるため、必ずしも一致しない。我々は非計量多次元尺度構成法を用いてからメタ解析を行うことで両者の共通部分を抽出することに成功した。3.DNA copy number異状のマイクロアレイデータによる解析、DNA copy number異状は、重要な原因である。本研究ではマイクロアレイのデータから、コピー数異状を起こしている遺伝子を同定することに成功した。Copy number異状を起こしている遺伝子は、染色体ごとに自動的に非計量多次元尺度構成法による埋め込み空間内でクラスター化した。4.シアノバクテリアの概日周期シアノバクテリアは、概日周期をもつ、唯一の原核生物である。ルシフェラーゼを用いた遺伝子発現変異体を網羅的に作成した発光実験の結果を非計量多次元尺度構成法で解析し、振動が日周期夜間の抑制によることを見出した。
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