研究概要 |
平成二十年度には原子力機購から奈良先端大への所属の変更があったために、当初目標としていた研究計画に若干の遅れが生じたが、計算機環境の整備、ソフトウェアの開発をすすめることが出来た。特に金属イオン結合タンパク質と結合サイトの分類・整理に必要なシステムの構築において一定の成果を得ることが出来た。現在このシステムを利用したデータベースの構築を進めている。申請者はマルチ銅オキシダーゼの進化モデル上のMissing Linkのアイデアに基づく、新しいタイプの銅結合タンパク質のゲノム配列中での同定(1)を行ったが、昨年末から今年にかけて、4カ所の独立したグループから、申請者による予測が正しかったことを実験的に証明する結果が報告された(2-5)。 構造および機能が未知で、分光学的手法により遷移金属イオンの結合が確認されているアミノ酸配列について、金属イオンを配位するアミノ酸残基を相同なタンパク質の立体構造および進化的な情報を利用して予測する研究を進めた。 (1)Nakamura, K., Go, N. Cellular and Molecular Life Science, 62, pp. 2050-2066 (2005) (2)Skalova, T. et al. J. Mol. Biol., 385, pp. 1165-1178 (2009) (3)Komori, H., Miyazaki, K., Higuchi, Y., FEBS Lett., 583, pp. 1189-1195 (2009) (4)Lawton, TJ., Sayavedra-Soto, LA., Arp, DJ., Rosenzweig, AC., J. Biol. Chem., 284, pp. 10174-10180 (2009) (5)MacPherson, IS., PhD Dissertation, Univ. British Columbia (2009)
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