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2008 年度 実績報告書

連想記憶モデルを用いた海馬新生ニューロンの情報論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500257
研究機関宮崎大学

研究代表者

伊達 章  宮崎大学, 工学部, 准教授 (60322707)

キーワード神経回路モデル / 連想記憶 / 新生ニューロン / 記憶容量 / 学習 / 数理モデル / ニューラルネットワーク / 脳
研究概要

歳をとるにしたがって脳神経細胞の数は減る一方であると最近までは信じられていた.本研究の目的は,記憶の情報処理に深く関わっているとされる海馬において発見されている新しく生まれた細胞が,記憶の情報処理にどのように貢献しているか,その情報論的意味について研究することにある.平成20年度において得られた成果は以下の通りである.
連想記憶モデルにおいてスパース符合化された興奮パターンを記憶させた場合,記憶容量が飛躍的に増大することが知られている.プリンストン大学のJ. J. Hopfield教授が最近発表したスパース符合化された連想記憶モデルは,想起の成否が容易に判別できる画期的な機能をもっている(Neural Computation, vol.2,pp.1119-1164,2008).このモデルは,構造をもつ興奮パターンを0,1の二値のみをとる結合係数の中に埋め込み,区分線形関数をニューロンの活動度関数として利用している点が従来の連想記憶モデルとは異なる.結合の重みを2値とした点は海馬の神経回路の特性を反映させたものである.この3点の変更点のうち,どれが本質的であるか明らかにするため,コンピュータシミュレーションによる解析をおこなった.その結果,もとの連続値連続時間モデルを単純な2値離散時間モデルに簡略化しても,想起の成否を容易に判別する性質は維持できることが分かった.しかし,3点の変更点がすべて本質的であるという見方もできる。海馬のモデルとしての妥当性を含め,今後,その詳細を分析する予定である.これまでの研究成果については国際誌等において発表した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] On the distribution of posterior probability in Bayesian inference with a large number of observations2009

    • 著者名/発表者名
      Akira Date
    • 雑誌名

      Artificial Life and Robotics 13

      ページ: 517-521

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 想起の成否が容易に判別できるHopfield2008連想記憶モデルの簡略化2009

    • 著者名/発表者名
      伊達 章
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 NC2008-171

      ページ: 399-404

  • [学会発表] 想起の成否が容易に判別できるHopfield2008連想記憶モデルの簡略化2009

    • 著者名/発表者名
      伊達 章
    • 学会等名
      電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会
    • 発表場所
      玉川大学
    • 年月日
      20090300
  • [学会発表] 神経振動子場における複数の局在振動2009

    • 著者名/発表者名
      伊達章, 倉田耕治
    • 学会等名
      リズム現象の研究会IV
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2009-01-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.cs.miyazaki-u.ac.jp/~date/index-j.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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