• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

マルチモーダル刺激によるミツバチ連合学習の情報処理と行動制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500258
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

池野 英利  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (80176114)

キーワードミツバチ / 条件付け / 感覚統合 / 行動制御 / 学習・記憶
研究概要

本研究はマルチモーダルな刺激に対するミツバチの行動について実験を進め、その行動の機序となる脳・神経機構の数理毛デル構築を目指すものである。聴覚、視覚、嗅覚刺激を対象に、風洞内での自由飛行、飛行経路を制限した飛行、微小トルク計に固定したフライトシミユレータという異なる飛行状能での行動を観測する新たな実験プロトコルを開発した。各プロトコルでの飛行行動の計測により、フライトシミュレータにおいては、図形の形状と色では刺激提示の位置普遍性に違いがあることが示された。一方、嗅覚刺激に対する反応はフライトシミュレータにおいては観測されなかったが、風洞を用いた自由飛行においては匂い刺激の存在する領域とない領域の境界付近において、飛行方向を急激に変える行動が見られた。この行動変容は、学習した場所付近を探索する飛行行動と記憶した刺激に定位する行動の切り替えが、このタイミングで生じている可能性を示唆するものであった。また、この飛行軌跡の生成過程を自己回帰モデルによって記述した結果、速度については滑らかに変化する低次の特性で近似が可能であるのに対して、方向については急激に変化する成分が存存した。この急激な方向変化は、脳における行動のスイッチングを反映した結果と考えられ、飛行行動を制御する2つのプロセスの存在を示唆するものである。しかし、自由飛行下での観測では、記憶に基づく飛行と匂い源への定位飛行の切り替えにおける詳細な行動変容を調べることは難しく、より制限された飛行条件での観測の必要性が生じた。本研究では今後より詳細な観測を進めて行く上で、基礎となる経路を制限した飛行状態を実現する実験装置を構築し、安定した飛行状態と外界からの刺激による飛行状態変化が観測可能であることを示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reconstruction of virtual neural circuits in an insect brain2009

    • 著者名/発表者名
      S.Namiki, S.S.Haupt, T.Kazawa, A.Takashima, H.Ikeno, R.Kanzaki
    • 雑誌名

      Frontiers in Neuroscience 3

      ページ: 206-213

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Observations and Computer Simulation of the Social Behavior in the Honeybee2009

    • 著者名/発表者名
      R.Okada, H.Ikeno, M.Ohashi, T.Kimura, E.Ito
    • 雑誌名

      Proceedings of the 3^<rd> International Symposium of Mobiligence

      ページ: 87-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Carbon cycling of a honeybee colony under the environmental variation2009

    • 著者名/発表者名
      K.Iwata, M.Ohashi, T.Akamatsu, R.Okasa, T.Kimura, H.Ikeno
    • 雑誌名

      Proceedings of the 3^<rd> International Symposium of Mobiligence

      ページ: 316-319

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Markov Model of Honeybee Social Behavior

    • 著者名/発表者名
      R.Okada, H.Ikeno, T.Kimura, M.Ohashi, H.Aonuma, E.Ito
    • 雑誌名

      Information (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] ミツバチ個体行動とコロニー特性変化に関する計測と解析2010

    • 著者名/発表者名
      池野英利, 岡田龍一, 大橋瑞江, 木村敏文
    • 学会等名
      第5回移動知シンポジウム
    • 発表場所
      観山荘
    • 年月日
      20100300
  • [学会発表] 状態に依存したセイヨウミツバチの嗅覚刺激応答2009

    • 著者名/発表者名
      赤松忠明, 池野英利
    • 学会等名
      日本動物学会近畿支部研究発表会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20090500
  • [備考]

    • URL

      http://www.u-hyogo.ac.jp/shse/ikeno/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi