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2007 年度 実績報告書

キイロショウジョバエ嗅覚神経細胞のクラス特異的な軸索投射様式の分化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500267
研究機関東京大学

研究代表者

遠藤 啓太  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (40425616)

キーワードキイロショウジョウバエ / 嗅覚 / 脳・神経 / 発生・分化 / 軸索投射 / 神経クラス
研究概要

キイロショウジョウバエの嗅覚神経細胞は50種類のサブクラスに分化しており、それぞれクラス特異的な匂い受容体を発現するとともに、その軸索を脳の一次嗅覚中枢のクラス特異的な領域へと投射することで脳内に匂い情報の空間地図を構築している。この多様な神経クラス分化とクラス特異的な軸索投射をつかさどる分子機構を明らかにするため、いくつかの候補遺伝子について、それぞれ、その遺伝子の変異をもつ嗅覚神経細胞のクローンを作出し、その神経クラス分化と軸索投射に与える影響を解析した。その結果、Runtファミリーに属する転写因子をコードするlozenge遺伝子、およびEGFRシグナル伝達に関わる遺伝子の変異において、それぞれ特定のクラスの嗅覚神経細胞の分化/軸索投射に異常が見られた。これら二つの遺伝子変異によって異常が見られた神経クラスを比較したところ、どちらの遺伝子変異においても異常が見られる神経クラス、どちらか一方の変異でのみ異常が見られるクラス、および、どちらの変異においても異常が見られないクラスが存在した。したがって、これらの遺伝子を介した神経分化の機構が組み合わさることで、神経クラスの多様性が生み出されていることが示唆された。また、lozenge遺伝子に関しては、その温度感受性変異系統を用いて遺伝子産物の活性を段階的に変化させることで、遺伝子産物の量と分化する神経クラスとの関係について解析を行った。その結果、神経クラスによって分化に必要なlozenge遺伝子産物の量が異なることが明らかになった。
したがって、lozenge遺伝子産物の量の差異に依存して神経クラスを多様に分化させる機構の存在が示唆された。これらの結果は、嗅覚神経細胞の多様なクラス分化をつかさどる分子機構を解明する上で重要な糸口となると思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] A Runt Family Transcription Factor Lozenge is Differentially Required for Distinct Classes of the Olfactory Receptor Neurons in Drosophila2008

    • 著者名/発表者名
      Keita Endo and Kei Ito
    • 学会等名
      CDB Symposium 2008: Turning Neurons into a Nervous System
    • 発表場所
      神戸・理研CDB
    • 年月日
      20080324-26
  • [学会発表] A runt family transcription factor is differentially required for distinct classes of the olfactory receptor neurons in drosophila2008

    • 著者名/発表者名
      Keita Endo and Kei Ito
    • 学会等名
      CSHL meeting: Neuronal Circuits, From Structure To Function
    • 発表場所
      米国・コールドスプリングハーバー
    • 年月日
      20080313-16
  • [学会発表] Searching for mechanisms that diversify the olfactory receptor neurons in Drosophila2007

    • 著者名/発表者名
      遠藤啓太、伊藤啓
    • 学会等名
      Neuro2007(第30回日本神経科学大会、第50回日本神経化学会大会、第17回日本神経回路学会大会合同大会)
    • 発表場所
      横浜・パシフィコ横浜
    • 年月日
      20070910-12

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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