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2008 年度 実績報告書

小脳核抑制性シナプスの発達過程におけるセロトニンを介した制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19500279
研究機関日本医科大学

研究代表者

齋藤 文仁  日本医科大学, 医学部, 講師 (20360175)

研究分担者 永野 昌俊  日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
キーワード小脳 / 小脳核 / 抑制性シナプス / 発達変化 / セロトニン
研究概要

本研究の目的は小脳核抑制性シナプス伝達におけるセロトニンの発達過程での役割を解明することにあった。前年度の研究実績としてセロトニンがどのような修飾作用を示すかを明らかにしたので学術論文として報告した。それと同時に発達過程における小脳核抑制性シナプスの性質を精査して、次の作用が発達過程にあることが解った。
(1)GABA(A)受容体を介するシナプス応答は発達変化に伴い、そのシナプス電流のキネティクスが変化する。
(2)GABA放出抑制に関わる修飾作用は発達に伴い、セロトニン感受性が弱くなる。
(3)セロトニンによる小脳核主細胞を興奮させる作用は発達変化を示さない。
(1)について、薬理学、生化学的な実験を行った結果、GABA(A)受容体サブユニットの発現パターンの変化があることが明らかになった。(2)はシナプス終末の構造的・機能的な変化が関与している可能性を示す結果を得ている。生物物理学的検討を加えて詳細を明らかにする予定である。これら2つの事象がセロトニンを中心とした制御機構によって起こっているのかを調べるための発展的研究を現在検討中である。(3)に示したセロトニンによる興奮作用には過分極活性型陽イオンチャネルの活性化が関与することが解り、小脳からの情報の流れに重要な意味を持つと考えられる。以上のように発達過程における有意な変化が見いだされたことから、これらの結果をまとめて、現在学術論文に投稿準備中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Modulatory effects of serotonin on GABAergic synaptic transmission and membrane properties in the deep cerebellar nuclei.2009

    • 著者名/発表者名
      Fumihito SAITOW, Mitsumasa MURANO, Hidenori SUZUKI
    • 雑誌名

      Journal of Neurophysiology 101

      ページ: 1361-1374

    • 査読あり
  • [学会発表] Role of 5-HT-induced modulation and inhibitory transmission in development of rat deep cerebellar nuclei neurons2008

    • 著者名/発表者名
      Fumihito SAITOW, Hidenori SUZUKI
    • 学会等名
      北米神経科学会
    • 発表場所
      ワシントンDC(米国)
    • 年月日
      20081115-20081119
  • [学会発表] 小脳核GABA作動性シナプスにおける5-HTと発達変化の役割2008

    • 著者名/発表者名
      齋藤文仁, 村野光和, 鈴木秀典
    • 学会等名
      日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-20080711
  • [備考]

    • URL

      http://www.nms.ac.jp/nms/pharmacol/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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