研究課題
基盤研究(C)
緑内障患者に胚性幹(ES)細胞に由来する網膜神経節細胞(RGC)を移植し損傷視神経を置き換える根治療法の確立を最終目的とし、その為の前臨床段階の検討を行う。(1)マウスES細胞に眼発生に必須の遺伝子であるpax6を導入後神経細胞に適した環境で培養し、神経幹細胞特異的な分子を発現したクローンを選択する。当該クローンの形態を光学・電子顕微鏡にて観察し、RGCが発現する神経特異的蛋白・転写因子の発現を検討する。また興奮性細胞に特有のカルシウムの取り込みの有無を確認する。(2)このpax6遺伝子導入細胞を視神経損傷マウスの網膜下組織へ移植し、移植細胞の生着及び生着後の細胞がRGCへと分化したかを検討する。それ以外の細胞への分化が認められれば、組織染色等により性状・機能等を検討し、移植後の分化について詳細に検討する。RGCへと分化した細胞について、その軸索が中脳上丘まで辿り着き後細胞に情報を伝達しているか確認する。(3)移植マウスが視力を回復したか、機能的検討を行う。正常マウス、視神経損傷マウス、および移植マウスにおいて対光反射を調べ、光刺激伝達能の回復の度合いを検討する。またこの3群において網膜電図を測定し、網膜における細胞の興奮過程を解析する。なお、神経接着分子L1のノックアウトマウスを作製して網膜神経節前駆細胞を移植し、再生した視神経が中脳上丘まで到達したか観察する。
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