研究協力者 |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授
前川 昌平 神戸大学, 理学部, 教授
岡田 清隆 近畿大学, 医学部, 准教授
堀井 謹子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教
山田 真弓 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
西村 洋介 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
橋本 隆 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
水崎 真紀 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
中谷 佳宏 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
横山 彰太 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
中村 充 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
中野 恵子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
今村 友樹 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
森田 晶子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
浅井 仁美 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
杉本 千明 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
井上 直子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 大学院生
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研究概要 |
成体においては、幼児期の臨界期と異なり構造レベルでの変化(可塑性)を消失し神経構造は安定している。しかし、外因性のコンドロイチナーゼ酵素を脳内に注入すると、成体脳においても神経回路の可塑性が回復することが大脳視覚野で報告されている(Pizzorusso et.al., 2002 ; Fox and Caterson, 2002)。このことは、細胞外マトリクス環境が神経回路の可塑性と密接な関係にあることを示している。申請者は、神経活動依存的にコンドロイチン硫酸プロテオグリカンが分解されることをバソプレッシン神経系で報告している(Miyata et al., 2004)。よって、バソプレッシン神経においては、神経活動増加により分泌された内因性の分解酵素が、細胞外マトリックス環境を変化させることで、神経回路可塑性を誘発している可能性がある。 本研究においては、細胞外マトリクスを分解する酵素系であるtPAならびにplasminogenに着目し研究を行った。tPAノックアウトマウスは、浸透圧刺激を与えてもバソプレッシン放出が野生型に比べ有意に低く、慢性的浸透圧刺激を与えると顕著な浸透圧上昇により、短期間で死に至ることが分かった。一方、リコンビナントtPAを、摘出下垂体後葉に作用させると有意にバソプレッシン分泌を促進した。さらに、慢性浸透圧負荷を課すことでtPA-Plasminogenシステムを介して血管細胞外マトリクスlamininが分解されることが明らかになった。
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