研究課題/領域番号 |
19500294
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
安井 幸彦 島根大学, 医学部, 教授 (30174501)
|
研究分担者 |
津森 登志子 島根大学, 医学部, 准教授 (30217377)
横田 茂文 島根大学, 医学部, 助教 (50294369)
|
キーワード | 神経回路網 / 視床下部 / 扁桃体 / 辺縁下皮質 / オレキシン / メラニン凝集ホルモン |
研究概要 |
本研究では、摂食行動に対する辺縁系の影響を形態学的立場から調べる目的で、視床下部外側野に存在する摂食関連ペプチド産生ニューロン〔オレキシン(ORX)産生ニューロンとメラニン凝集ホルモン(MCH)産生ニューロン〕への扁桃体や辺縁下皮質からの入力様式を解析した。まず、マウスを用い、皮質下辺縁系の主たる構造物の一つである扁桃体の出力核(中心核)からORXニューロンとMCHニューロンへの連絡様式について、それぞれ光顕的ならびに電顕的に解析し、比較検討した。扁桃体中心核に順行性標識物質であるビオチン化デキストランアミン(BDA)を限局注入し、BDA標識線維および終末を組織学的に検出後、ORXニューロンあるいはMCHニューロンをそれぞれの抗体を用いて免疫組織学的に検出した。その結果、視床下部外側野においてBDA標識線維および終末の分布領域と、ORXニューロンあるいはMCHニューロンの分布領域の一致を光学顕微鏡下で観察した。電子顕微鏡下では、BDAで標識された終末ボタンとMCHニューロンあるいはORXニューロンとの間に対称性シナプスを認めた。次に、上記と同様の方法を用いて辺縁下皮質からORXニューロンとMCHニューロンへの連絡様式について比較検討した。その結果、視床下部外側野において辺縁下皮質からの投射線維と、MCHニューロンあるいはORXニューロンとの間に非対称性シナプスが形成されることを示唆する所見を得た。さらに、順行性標識法と免疫電顕的手法を併用することによって、視床下部外側野における扁桃体中心核からの投射線維がγ-アミノ酪酸(GABA)の合成酵素であるグルタミン酸脱炭酸酵素陽性であることを証明した。
|