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2009 年度 実績報告書

霊長類大脳の運動関連皮質における情報の流れと抑制/興奮性神経回路網

研究課題

研究課題/領域番号 19500301
研究機関日本大学

研究代表者

山下 晶子  日本大学, 医学部, 講師 (30246889)

キーワード興奮性錐体細胞 / GABA抑制細胞 / GAP結合(電気的シナプス) / パルブアルブミン細胞 / バスケット細胞 / 霊長類
研究概要

ラットやネコ大脳皮質では、抑制性細胞の代表であるパルブアルブミン含有GABA細胞はギャップ結合(電気的シナプス)で互いにつながり、同期発火するという特徴を持つことが報告されている。霊長類でもギャップ結合があるかどうかをマカクサル大脳皮質を用いてギャップ結合特異的タンパク質であるコネキシン36を指標として調べた。サル大脳皮質でもギャップ結合はパルブアルブミン陽性樹状突起上に存在したが、ネコでは1個のパルブアルブミン陽性細胞が数十個のギャップ結合を持つのに対し、サルでは2~8個のギャップ結合を持つのみであった。ヒトの大脳皮質組織では2重染色ができなかったためパルブアルブミン陽性樹状突起にギャップ結合が存在するかどうかは確認できなかったが、運動皮質や体性感覚皮質において、コネキシン36陽性構造の密度はラットと比べて低かった。同じ傾向は霊長類に近縁種であるツパイでも認められた。一方、大脳皮質には錐体細胞の細胞体周囲に終末を持つバスケット細胞や軸索初節に終末を持つシャンデリア細胞という独特の形態を持つGABA細胞がパルブアルブミン陽性であることが知られている。霊長類では1つの錐体細胞を取り囲むパルブアルブミン終末はげっ歯類よりも多く、軸索初節における終末密度も高い。げっ歯類では電気的シナプスにより同期した抑制性GABA細胞が興奮性細胞の代表である錐体細胞を抑制するのに対し、霊長類では単一の抑制細胞が強力に錐体細胞を抑制し、多数のGABA細胞が同期して行う錐体細胞の抑制は弱いと考えられる。大脳皮質領野間比較を行った場合、サルではどの領野でもギャップ結合の数は少なく、領野差は見られなかった。一方、錐体細胞を取り囲むパルブアルブミン終末の数は一次視覚野では少なく、運動関連皮質では多い。さらに、運動関連皮の中でも前頭前野が最も多く、各領野の機能の違いを反映していると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Functional and histological properties of caudal intraparietal area of macaque monkey2010

    • 著者名/発表者名
      Katsuyama, N.
    • 雑誌名

      Neuroscience 167

      ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] Parvalbumin/GABA cells in the monkey cerebral cortex : gapjunctions, chandelier- and basket-terminals2009

    • 著者名/発表者名
      Akiko Yamashita
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] Reaction of neurons and glias by chronic cortical stimulation in rats : neurogenesis and morphological changes in astroglias2009

    • 著者名/発表者名
      Akiko Yamashita
    • 学会等名
      XXXVI International Congress of Physiological Science
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-07-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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