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2009 年度 実績報告書

経頭蓋磁気刺激による皮質拡延性抑制を利用した非侵襲的な脳虚血耐性の獲得

研究課題

研究課題/領域番号 19500312
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

小林 正人  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60245511)

研究分担者 堀口 崇  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70245520)
キーワード経頭蓋磁気刺激 / 皮質拡延性抑制 / 脳虚血耐性 / 脳卒中
研究概要

実験はラットを用いた動物実験である。Wister系のラット(体重300-350g)をハロセン(濃度4.0%)を用いて麻酔導入したのち、酸素、笑気、ハロセンを吸入投与し麻酔を維持した。麻酔維持の際のハロセンの濃度は1.0%とした。ラットを動物用頭蓋定位固定器に固定した後に、頭皮を切開し、bregmaから2mm右外側に2mm前方と2mm後方に2箇所のバーホールを設けた。脳表を露出しSD導出用のAg-AgCl電極とレーザードップラー計を固定した。TMSはバーホール間にある前肢の運動野に対して刺激を行い、前肢のmotor twitchの有無を観察して確認した。SDは後方のバーホールに2M KCLの投与を行うことによって導出した。まず、rTMSを行う前の60分間、SDを記録し、その後rTMSを施行し、rTMS後の60分間再びSDを記録した。rTMSの刺激パターンはsham刺激と低頻度刺激(Magstim社製の磁気刺激装置、機器最大強度の50%で1Hz、10分間)と高頻度刺激(機器最大強度の50%で20Hz、3秒間を1分毎に10回繰り返し)とした。
rTMS刺激の前後のSDを比較すると、frequencyはsham刺激と低頻度刺激では変化がなかったが、高頻度刺激では有意に増大した(p=0.014,Willcoxon's signed rank test)。amplitude,durationに関しては何れの刺激条件においてもrTMS前後での有意な変化は認めなかった。この結果より、rTMSの高頻度刺激によって、皮質の興奮性が増加し、SDが生じる閾値が低下した可能性が示唆された。低頻度刺激では有意な変化が認められなかったが、Halothaneがgap junctionの阻害作用を持つことから、低頻度rTMSが有するとされる大脳皮質の興奮性の抑制効果がマスクされてしまって本実験結果では有意に認められなかったことや、TMSの刺激回数が有意な大脳皮質の抑制効果を誘導するには不十分であったことなどが原因として推察された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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