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2007 年度 実績報告書

アルツハイマー病における神経再生機構の解明とその治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19500316
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

内田 洋子  財団法人東京者高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (60133633)

研究分担者 五味 不二也  東京都老人総合研究所, 研究員 (40205620)
キーワードアルツハイマー病 / 神経幹細胞 / 神経再生 / B-アミロイド / 転写因子 / 遺伝子発現 / トランスジェニック マウス
研究概要

アルツハイマー病における神経再生(neurogenesis)の会子メカニズムを明らかすることが、本研究の目的である。そこで、培養系を使った網羅的遺伝子発現解析によって、B-アミロイドが神経発生に関与する転写因子、Mash1とOlig2の発現を変化させること(Mash1の発現誘導とOlig2の発現抑制)を明らかにした。B-アミロイド無添加の培養系では、Mash1はnestin陽性の未分化細胞(神経幹細胞)で発現しており、大部分のMash1陽性細胞はOlig2を共発現していた。しかし、B-アミロイド添加によって、Mash1陽性/Olig2陰性の神経幹細胞の割合が増加していることがわかった。そこで、それら2つの転写因子の発現変化が、神経幹細胞から神経細胞への分化を誘導するのか、それとも神経幹細胞の死を誘導するのかを明らかにするために、培養神経幹細胞へのMash1遺伝子とOlig2 RNAiの共発現実験を行った。その結果、Olig2を共発現している神経幹細胞でMash1を過剰発現させると、神経幹細胞から神経細胞への分化が誘導されるのに対し、RNAiによってOlig2発現を抑制した神経幹細胞でMash1を過剰発現させると、神経分化よりもむしろ神経幹細胞の死を誘導することがわかった。また、EGFやFGF2などの成長因子を培地から除去することによってOlig2発現を抑制した場合にも、神経幹細胞の死が誘導された。これらの結果から、神経幹細胞から神経細胞の分化には、Mash1とOlig2の協調作用が必要であり、B-アミロイドによって、Mash1陽性細胞でOlig2発現が抑制されると、分化から細胞死へとスイッチングされると結論づけた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Differential regulation of bHLH factors,Mash1 and Olig2,by β-amyloid accelerates both differentiation and the death of cultured neural stem cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Uchida Y, Nakano S, Gomi F, Takahashi H
    • 雑誌名

      J Biol Chem 282

      ページ: 19700-19709

    • 査読あり
  • [学会発表] ADモデルマウス脳におけるOlig2遺伝子の発現変化とその意味2007

    • 著者名/発表者名
      内田 洋子, 五味 不二也
    • 学会等名
      Neuro2007
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-09-10
  • [学会発表] アルツハイマー病モデルマウスにおけるbHLH因子の発現変化とその意味2007

    • 著者名/発表者名
      内田 洋子, 中野 俊一郎, 五味 不二也
    • 学会等名
      日本基礎老化学会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2007-06-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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