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2008 年度 実績報告書

反発性軸索ガイダンスの仕組み:成長円錐での非対称性駆動力発生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500335
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

上口 裕之  独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, チームリーダー (10233933)

キーワード神経回路 / 軸索 / 成長円錐 / ガイダンス / カルシウム / 細胞膜 / エンドサイトーシス / クラスリン
研究概要

発生段階の軸索突起の先端部(成長円錐)は、細胞外環境に存在するガイダンス因子を認識して伸長方向を転換する。多くのガイダンス因子は細胞質Ca^<2+>シグナルを介して成長円錐の旋回運動を誘起するが、小胞体(細胞内Ca^<2+>ストア)からのCa^<2+>放出を伴わないCa^<2+>シグナルは成長円錐を反対側に旋回させることが知られている(反発性ガイダンス)。本研究代表者の過去の研究成果は、成長円錐での非対称性エンドサイトーシスが反発性ガイダンスを駆動することを示唆したため、平成20年度には、旋回過程の成長円錐でのエンドサイトーシスの可視化解析を試みた。異なる蛍光波長特性をもつ蛍光蛋白質を付加したクラスリンおよびダイナミンの挙動をエバネッセント顕微鏡で観察することにより、成長円錐でのクラスリン依存性エンドサイトーシスをリアルタイムで可視化することに成功した。本法を用いて旋回中の成長円錐でのエンドサイトーシスの非対称性を定量したところ、成長円錐片側の反発性Ca^<2+>シグナルはエンドサイトーシスを非対称化するが、誘引性Ca^<2+>シグナルはエンドサイトーシスには影響をおよぼさないことが判明した。この実験結果は本研究代表者の仮説を支持するものであり、クラスリン依存性エンドサイトーシスによる成長円錐形質膜の非対称性除去が反発性ガイダンスを駆動することが明らかになった(未発表)。さらに、一酸化窒素とサイクリックグアノシン-リン酸(cGMP)が反発性軸索ガイダンスを担う細胞内情報伝達系として重要な役割を担うことを発見し、国際的な学術誌に論文を投稿した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 成長円錐ガイダンス2008

    • 著者名/発表者名
      上口裕之
    • 雑誌名

      生体の科学 59

      ページ: 428-429

  • [雑誌論文] 誘引性・反発性軸索ガイダンスを制御するカルシウムシグナル2008

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎, 上口裕之
    • 雑誌名

      実験医学 26

      ページ: 1852-1858

  • [雑誌論文] The cell adhesion molecule L1 controls growth cone navigation via ankyrin_B-dependent modulation of cyclic AMP

    • 著者名/発表者名
      Ooashi N, Kamiguchi H
    • 雑誌名

      Neurosci Res

    • 査読あり
  • [学会発表] The role of cell adhesion molecules and Ca^<2+> signals in axon guidance2008

    • 著者名/発表者名
      上口裕之
    • 学会等名
      The 6th Forum of European Neuroscience
    • 発表場所
      Geneva, Switzerland
    • 年月日
      2008-07-14
  • [学会発表] 神経軸索ガイダンスを駆動する成長円錐での非対称性膜トラフィッキング2008

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎、秋山博紀、糸総るり香、上口裕之
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-07-10
  • [学会発表] 一酸化窒素による反発性神経軸索ガイダンスの制御2008

    • 著者名/発表者名
      糸総るり香、戸島拓郎、上口裕之
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-07-09
  • [学会発表] カルシウムシグナルによる神経突起ガイダンスの制御機構2008

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎、秋山博紀、糸総るり香、上口裕之
    • 学会等名
      第60回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-06-29
  • [学会発表] 軸索ガイダンスの分子機構2008

    • 著者名/発表者名
      上口裕之
    • 学会等名
      第23回神経組織の成長・再生・移植研究会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      2008-05-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.brain.riken.jp/labs/kamiguchi

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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