研究概要 |
中性アミノ酸トランスポーターの一種であるアラニン、セリン、システイン輸送機構(alanine-serine-cysteine transporter, ASCT1,2)の阻害剤スクリーニング等のためのハイスループットアッセイ系の開発のためには、内因性のASCT1,2が高発現していないホスト細胞を選ぶ必要がある。平成19年度はガン化されたヒト細胞であるHEK293細胞を用いてASCT1,2の発現を調べたところ、HEK293細胞には内因性のASCT1,2が比較的高く発現していることが認められ、ASCT1,2の阻害剤スクリーニング系のホスト細胞には不向きであることが判明した。そこで最適なホスト細胞系を新たに探索するために、平成20年度はチャイニーズハムスターの培養細胞であるCHO細胞等を用いて実験を実施した。しかし、昨年度と同様に、いずれの培養細胞でも内因性のASCT1,2の発現量が高く、ASCT1,2のアッセイ用のホスト細胞としては不向きであることがわかった。そこで今後、(1)内因性のASCT1,2の発現量が低いホスト細胞の探索を継続して実施すること。(2)トランスフェクションしたラットASCT1,2のクローンの各種哺乳類細胞での発現量を確認すること。(3)アフリカツメガエル卵母細胞等のprimary細胞でのアッセイ系の検討。(4)電気生理学的なアッセイ系の検討等を継続して実施する必要がある。
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