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2007 年度 実績報告書

歩行機能回復に作用する中枢歩行制御システムの神経可塑性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500352
研究機関札幌医科大学

研究代表者

松山 清治  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (40209664)

キーワード神経可塑性 / 脊髄損傷 / 歩行運動 / 機能回復 / 中枢歩行パターン発生機構 / 除脳 / ウサギ
研究概要

本研究では中枢損傷後に歩行機能回復に働く歩行制御系の神経可塑性メカニズムを知るため、これまで申請者らが明らかにしてきた脳幹-脊髄内の基礎的歩行制御システムを基準システムとして捉え、脊髄損傷後の歩行機能回復前後における歩行制御システムの機能発現および構造的特徴を比較検討し、これより歩行機能回復に伴う歩行制御システムの可塑的変化を明らかにすることを目的としている。平成19年度は実験動物に左右後肢の同位相跳躍運動を基本歩容とするウサギを用いて脊髄半切断モデルを作成し、半切前後における歩行パターンを比較検討し、脊髄半切断により歩行運動発現がどのように障害されるかについて考察した。
実験にはウサギの随意性を排除する目的で、上丘前縁-乳頭体後縁を結ぶ面で上位脳を切除した除脳ウサギ標本を用いた。除脳ウサギの中脳歩行誘発野(MLR)を電気刺激することで跳躍運動を誘発した。これを記録した後にウサギを再度麻酔して下部胸髄レベルに半切断を加えた。麻酔回復後に再びMLR刺激を加え、誘発された運動を記録した。脊髄半切断を加えたウサギでは、左右どちらのMLRを刺激しても、脊髄が無傷側の後肢に跳躍運動が発現し、その基本パターンは半切断前の跳躍運動パターンと類似していた。しかし、最大強度の電気刺激を与えても脊髄半切側の後肢には跳躍運動は誘発されなかった。次に筋弛緩剤を静脈注射し無動化除脳ウサギ標本を作製し、下部胸髄半切断前後における歩行リズム発現パターンについて観察した。この結果、脊髄半切断を施した除脳ウサギでは、MLR刺激により脊髄無傷側に比べて程度は小さいものの脊髄半切断側にも歩行リズムが誘発されることがあった。これは左右脊髄間の協調活動のために働く神経回路網、即ち交連神経機構が、ウサギでも機能していることが示され、脊髄半切断後の歩行機能回復に重要な役割を持つものと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 歩行と脳幹〜脊髄系2007

    • 著者名/発表者名
      松山清治
    • 雑誌名

      Brain Medical 19

      ページ: 23-30

  • [雑誌論文] Brainstem-spinal cord mechanisms involved in the generation of coordinated hopping locomotion in rabbits.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsuyama K
    • 雑誌名

      Proceedings of The 2nd International Symposium on Mobiligence

      ページ: 157-160

    • 査読あり
  • [学会発表] ウサギ歩行運動時における四肢間協調パターン2008

    • 著者名/発表者名
      松山清治
    • 学会等名
      第85回日本生理学会大会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      20080325-27
  • [学会発表] 網様体脊髄路の構造と機能2007

    • 著者名/発表者名
      松山清治
    • 学会等名
      第22回日本大脳基底核研究会
    • 発表場所
      旭川市
    • 年月日
      20070825-26
  • [学会発表] 除脳ウサギの四肢協調歩行誘発おける歩行駆動経路の部分的遮断の影響2007

    • 著者名/発表者名
      松山清治
    • 学会等名
      第87回北海道医学大会生理系分科会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2007-09-08

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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