研究課題
本年度は、骨異常と片眼性異常(右目)を検討するためのアスパラギン酸・グルタミン酸輸送体欠損マウス、citrin^<-/->, aralar^<+/->マウスコロニーの確立を第一におこなった。しかしながら、動物飼育施設の改修工事に伴う飼育制限のため、当初予定の交配数を確保できなかった。そのため、コロニーの確立が遅れているが、得られたノックアウトマウスを用いて以下の結果を得た。1)Citrin遺伝子の破壊に用いた挿入遺伝子断片により、ノックアウトマウス(citrin^<-/->)ではcitrinと同一パターンでβ-galactosidaseが発現するようになっている。肝臓でのβ-galactosidase活性は、遺伝子破壊の程度に相関しており、ノックアウトマウスで最も高く、ヘテロマウスでその半分程度であった。また、ノックアウトマウスの肝小葉において、中心静脈周囲と中間部に存在する肝細胞内にミミズ状の酵素活性の陽性反応物が、数多く観察された。2)Citrin^<-/->, aralar^<+/->マウスは17匹得られたが、15匹が離乳前に死亡した。3)Citrin^<-/->, aralar^<+/->マウスの体重は、citrin^<-/->, aralar^<+/+>マウスと比べ有意に低かった。4)片眼性異常(右目)を示したcitrin^<-/->, aralar^<+/->マウスの網膜の神経節細胞層に細胞の欠損部位があり、左側の視索が右側に比べて萎縮していた。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
J. Biol. Chem. 282
ページ: 7098-7106
ページ: 25041-25052