Alil8突然変異の原因遺伝子探索のため、その候補遺伝子についてリアルタイムPCRによる発現解析を開始している。組織よりRNAの抽出が必要であるために、こちらでAlil8系統を維持する必要があり、現在までに凍結胚の供給を前述のドイツのグループより受けた。Alil8マウスの凍結胚は問題なく解凍されたものの、生まれて来た産仔の数は予想より少なく、当初予定していた交配を行うペア数を得ることができなかった。また、コントロールとして用いる野生型系統に関しては凍結胚に問題があって産仔が全く得られなかった。これらの理由より当初の計画より1世代余分に交配を行って、マウスを増殖させることが必須となった。現在までにAlil8マウス及びコントロールとして用いる野生型マウスは順調に匹数が増加して、予定していた週齢を揃えたサンプリングが可能となった。GSFドイツ国立研究所(2008年よりHelmholzセンターミュンヘンと改名)のHrabe de Angells教授のグループと共同研究を行っている。2007年12月に当研究所を訪問して、共同研究の進展の確認を行った。現在までに約700の減数分裂を確認し、共同でそれぞれの遺伝子型の解析を行った。その結果、6.1Mbであった候補領域は約2Mbまで狭めることに成功した。しかしながら、遺伝的背景による抑制効果のためにこれ以上狭めることが困難であることも判明した。現在、この点を乗り越えるために討論と協議を行っている。この領域に位置する遺伝子群において候補遺伝子群をピックアップし、そのタンパク質コーディング領域について野生型とAlil8ホモマウスより抽出したゲノムDNAの塩基配列決定を行った。その費用共通利用施設の使用料として計上している。
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