• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

誘導型好塩基球/好酸球欠損マウスの樹立とIgE依存性慢性アレルギー反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19500374
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

松岡 邦枝  財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40291158)

キーワードアレルギー / 好塩基球 / 好酸球 / IgE / マウスモデル / 皮膚炎症 / ジフテリア毒素 / トランスジェニックマウス
研究概要

トリニトロフェノール(TNP)特異的IgEで受動感作したマウスの耳介にTNP標識OVAを皮内投与すると、即時相・遅発相に続いて慢性相(IgE-CAI)の皮膚主張が認められる。我々は、末梢血白血球のわずか0.5%を占めるに過ぎない好塩基球が、IgEと高親和性IgEレセプターFcεRI依存的に慢性相を誘導する機構が存在することを発見し、これまでにほとんど研究が進展していない好塩基球がアレルギーにおいて重要な役割を演じていることを示した。この好塩基球主導で引き起こされる慢性アレルギー炎症局所には、好酸球の著明な浸潤が認められる。本研究では、好塩基球と好酸球がアレルギー性炎症にどのように寄与しているかを解明するために、誘導型の好塩基球欠損マウスおよび好酸球欠損マウスを世界に先駆けて樹立することを目的とした。すなわち、好塩基球あるいは好酸球特異的に発現する遺伝子のプロモーターの下流にジフテリア毒素(DT)受容体cDNAを連結した組換え体を用いてトランスジェニックマウスを作製し、DTの投与によって好塩基球・好酸球を任意の時期に傷害するマウスモデルを樹立した。好塩基球傷害マウスでは、DT投与後3日で末梢血における好塩基球数が1/10に減少し、IgE-CAIによる皮膚腫脹反応が完全に抑制された。好酸球傷害マウスでは、DT投与後3日で末梢血中好酸球が1/3に減少し、IgE-CAIは有意に抑制された。このことはIgE-CAIにおいて、好塩基球がイニシエーター、好酸球がエフェクターとして機能していることを強く示唆している。平成20年度は、DTの投与量・投与時期等様々な条件で好塩基球あるいは好酸球を傷害し、三相性皮膚主張における好塩基球・好酸球の作用機序を明らかにする。好塩基球・好酸球のアレルギーの慢性化への関わりが解明されれば、今後の創薬・治療法開発への応用が期待できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 標的細胞ノックアウト(TRECK)法による誘導型好酸球欠損マウスの樹立とアレルギー反応の解析2007

    • 著者名/発表者名
      松岡 邦枝
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会、第80回日本生化学会大会合同大会(BMB2007)
    • 発表場所
      横浜(パシフィコ横浜)
    • 年月日
      2007-12-14
  • [学会発表] Establishment of an eosinophil-less mouse line by TRECK method.2007

    • 著者名/発表者名
      Kunie MATSUOKA
    • 学会等名
      21st International Mammalian Genome Conference
    • 発表場所
      京都(京都テルサ)
    • 年月日
      2007-10-30

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi