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2007 年度 実績報告書

筋ジストロフィー犬における刺激伝導系プルキンエ線維の選択的障害の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500375
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

中村 昭則  国立精神・神経センター, 神経研究所・遺伝子疾患治療研究部, 室長 (10303471)

研究分担者 武田 伸一  国立精神・神経センター, 遺伝子疾患治療研究部, 部長 (90171644)
キーワード筋ジストロフィー / 心筋障害 / プルキンエ線維 / ジストロフィン / Dp71 / ユートロフィン / カルパイン
研究概要

1)国立精神・神経センターでコロニーを確立したDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)の動物モデルである筋ジストロフィー犬(CXMD_J)では、生後2週齢頃からDMDやゴールデンレトリバー種の筋ジス犬(GRMD)と同様の心電図の異常Q波が出現し、7ケ月齢では全例に認められた。しかし、心臓超音波検査や病理学的検討では左室後壁の線維化は12ケ月齢以降に出現していた。異常Q波の成因として左室後壁の線維化による起電力の低下が指摘されてきたが、筋ジス犬の解析から異常Q波の出現が左室後壁の線維化に先行することが判明した。さらに、作業心筋に明らかな病変が見られない4ケ月齢のプルキンエ線維には著しい空胞様変性が見られ,透過型電子顕微鏡ではプルキンエ線維内の筋原線維の著明な断裂が確認された。プルキンエ線維では特異的に、1)ジストロフィンC端型アイソフォームDp71とジストロフィンのホモログであるユートロフィンが過剰発現し、月齢に伴いDp71の発現増強とユートロフィンの発現低下が起こっていること、2)Ca依存性プロテアーゼであるμカルパインが過剰発現し、基質である心筋型トロポニン-Iや-T,デスミンが分解されていることを見出し、プルキンエ線維の変性機構にユートロフィンの代償不全や筋タンパク質の分解が関与している可能性を指摘した。この筋ジス犬プルキンエ線維の変性が心電図異常や筋ジス犬で観察される心室性不整脈に関与している可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Fiber type cornposition of diaphragm is more greatly influenced by dystrophindeficiency in canine X-linked muscular dystrophy in Japan (CXMD_J)2008

    • 著者名/発表者名
      Yuasa K, Nakamura A, Hijikata T, et. al.
    • 雑誌名

      BMC Musculoskeletal Disorders 9

      ページ: 1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Follow-up of three cases With a large in-frame deletion of exofis 45-55 in the Duchenne muscular dystrophy (DMD) gene2008

    • 著者名/発表者名
      Nakamura A, Yoshida K, Fukushima K, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Neuroscience in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activation and localization of matrix metalloproteinase-2 and-9 in the skeletal muscleof muscular dystrophy dog(CXMD_J)2007

    • 著者名/発表者名
      Fukusllima K, Nakamura A, Ueda H, et. al.
    • 雑誌名

      BMC Musculoskeletal Disorders 8

      ページ: 54

    • 査読あり
  • [学会発表] 筋ジストロフィー犬を用いたDuchenne型筋ジストロフィーの心筋障害の発症機序の解明2007

    • 著者名/発表者名
      中村 昭則, 他
    • 学会等名
      第48回日本神経学会総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2007-05-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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