研究概要 |
2007年度までに構築した統計モデルの高度化を本年度は実現した.本年度は,計画通り男女それぞれのモデルにおいて100例以上の正常例を収集し,3次元画像変形技術を応用して統計モデルを構築した.また異常症例の収集も予定通り行い,63症例が収集できた.読影実験用や臨床実験用のユーザインターフェースをもったソフトウェア_も試作した.異常症例の解析結果では,異常部位の多くは正常な糖代謝の範囲にないことが示され,手法の原理的な有用性が確認できた.また,本年度から経時差分像の構築に関しても実験を本格的に進め,経時変化の確認が可能な8症例をつかって予備的な実験を行った. FDG以外の薬材についても,本年から実験を行う予定であり,心筋診断に用いるMIBG画像に関する予備研究,全身MIBGに関する予備研究を開始した.心筋MIBGに関しては,10症例の収集を行い,心臓領域のカウント数計測の高度化を行うために,胸部単純X線写真との画像融合方法について研究を行った.全身MIBG画像においては,定量診断のためのスコアリング手法の自動化を目指し,全身の自動分割と異常集積領域の自動検出アルゴリズムの構築を行った.また,プロトタイプシステム構築のため16症例の収集を行った.
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