研究課題/領域番号 |
19500391
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
市川 和洋 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (10271115)
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研究分担者 |
山田 健一 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60346806)
安川 圭司 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80372738)
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キーワード | 微小共振器 / バイオテクノロジー / 生物・生体工学 / 可視化 / 生物物理 |
研究概要 |
生体レドックス画像化法であるオーバーハウザー効果MRI;OMRIでは、感度が不十分であり、侵襲的に共振器を対象臓器に密着させることで高感度化を図ってきた。しかし、将来的な臨床応用を念頭に置くと、無侵襲的な計測を実現する測定技術開発が必要である。そこで本研究では、対象疾患として消化器疾患を、共振器導入法として経口あるいは直腸挿入を想定して、オーバーハウザー効果OMRIにおいて、無侵襲・高感度測定を実現する小型の表面型共振器作製を目的とする。 本年度は、同共振器の要素技術確立を目的として、1)共振器の励起方式の検討、2)共振器の小型化と形状検討、高励起効率の実現、3)回路素子のコーティング条件の検討、を行った。1)励起方式は、表面型・カップリングループ型を検討した。励起効率は、同等であったが、検出感度は後者が優れていた。検出感度の差異は、共振器に用いる金属量に依存した。従って、高感度化には効率的な配線が必要であることが示唆された。2)共振器形状と励起効率については、小型化と共に単位面積あたりの感度は向上し、これは電磁気学的な理論と一致した。3)さらに、生体適合性素材によるコーティングを比較検討し、コーティング後にも共振器として動作することを示した。その効率は非コーティング時とほぼ同等であった。同共振器を疑似対象物として造影剤を含むゲル中に封入したところ、共振器局所で高感度検出が可能であった。以上の検討結果から、小型挿入OMR I共振器の要素技術を確立した。第二年度は本格的に動物モデルへの応用を行い、本共振器の有用性を検討する。
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