研究課題/領域番号 |
19500393
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
水野 由子 (松本 由子) 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 准教授 (80331693)
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研究分担者 |
稲田 紘 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20028393)
西村 治彦 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
石井 良平 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40372619)
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キーワード | 生物・生体工学 / 臨床神経生理学 / 脳機能解析・評価 / 精神神経科学 |
研究概要 |
[目的」本研究では、若年者における「脳機能変化を定量的に捉えることで、不安定性格の形成過程(原因)および不安定性格の構成要素(症状)を抽出すること」を目的とする。その際、非定常解析を用いた詳細な脳機能解析を行い、微細な脳の時間的空間的変化を捉える。それにより、次の問題の解決を目指す。一つは、不安定な性格がどの時期にどのような原因で形成されたのかということであり、脳機能変化の定量化を用いて、人間関係におけるトラウマ(心の傷)を抽出することにより、定量的にヒトの不安定な性格形成の過程を調べる。もう一つは、不安定な性格とは、どの点が問題であるかということである。つまり、不安定な性格を構成する感情と意欲の種類と強さを調べる。これらの問題を客観的・定量的に明らかにすることで、精神的問題を抱える患者の治療をより効果的に行うことが可能となり、さらには、精神疾患の予防に役立つと考える。 [研究実施]本研究は、若年者の不安定性格の原因とその構成要素を、脳機能(脳波、fMRI)や自律神経機能(心電図、脈波、サーモグラフィ)を測定・解析することで、定量的に調べている。 平成19年度の研究実績は次の通りである。 1脳機能解析手法の開発 脳機能測定として、脳波を用いて、脳機能状態を時々刻々に捉え、さらに情報の部位間伝播や関連性を調べる非定常解析手法を開発した。 2自律神経機能解析手法の開発 自律神経機能測定として、心電図、脈波、サーモグラフィによる顔面および末梢温度変化を用いて、自律神経反応の非定常解析手法を開発した。現在、脳機能との関連性を求めるアルゴリズムを開発中である。 3情動刺激タスクの作成 ヒトのトラウマ、ストレス、感情、性格安定度を客観的に評価するために、視聴覚動画像を用いた情動刺激タスクを作成した。 以上より次年度では、情動刺激下での脳機能、自律神経機能測定・解析を速やかに開始する事が可能である。
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