研究課題
[目的]本研究では、若年者における「脳機能変化を定量的に捉えることで、不安定性格の形成過程(原因)および不安定性格の構成要素(症状)を抽出すること」を目的とした。その際、非定常解析を用いた詳細な脳機能解析を行い、微細な脳の時間的空間的変化を捉えることにより、ストレスとトラウマ(心の傷)に関する脳機能変化の定量化を目指した。[研究実施]本研究では、若年者の不安定性格の原因とその構成要素を、脳波を用いた脳機能および脈波を用いた自律神経機能を測定・解析することで、定量的に調べた。その結果は次の通りである。1.不快情動ストレス負荷時は、ストレス群では脳波の相対パワースペクトル値が有意に経時的減少を示し、非ストレス群では有意な増加を示した。2.自律神経機能では、非ストレス群はストレス群と比較して反応性がより高く、副交感神経機能が有意に高いことが分かった。3.ストレス時における脳機能活動は生体抵抗性と類似した傾向を示すことが分かった。4.人間関係に関するトラウマ保有者は、人間関係に関する刺激により、脳波の平均パワースペクトル値が有意に高値を示した。5.兵庫県出身者(大地震経験者)の内、性格不安定群において、地震タスク刺激下では、脳波の平均パワースペクトル値が有意に高値を示した。6.トラウマ保有者は、トラウマを連想させる状況で脳機能が活性化することを示した。
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