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2009 年度 実績報告書

生命進化的手法によるコンプライアンスチャンバレス拍動式補助人工心臓システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500394
研究機関東海大学

研究代表者

岡本 英治  東海大学, 生物理工学部, 教授 (30240633)

研究分担者 山家 智之  東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
キーワード人工心臓 / コンプライアンスチャンバー / 磁気結合 / アクチュエータ / 磁気浮上 / 磁気カム / 非接触 / 完全人工心臓
研究概要

次世代型拍動式人工心臓の開発の基礎研究を目的に,拍動式人工心臓で課題となっているコンプライアンスチャンバーの削減と運動変換機構の非接触化を目的に,1)in flowカニューレー体型コンプライアンスチャンバーおよび2)磁気カム式人工心臓の開発を行ったので報告する.In flowカニューレー体型コンプライアンスチャンバーは,血液ポンプ流入部に空気待機場所を設置し拍動型ポンプの稼働に伴う人工心臓アクチュエータ内の空気を血液ポンプ流入カニューラに移動させその体積変化は血液流路側に起こさせ,血液ポンプと別にコンプライアンスチャンバーを設置する必要はない.昨年度の研究成果をもとにin flowカニューラ部コンプライアンス容量をポンプ一回拍出量の約60%とする40mlとしたところ,外側ハードシェル外径50mm,内側ソフトシェル外径20mm,長さ80mmの葉巻型となった.外側ハードシェルをエポキシ樹脂,内側ソフトシェルをシリコーンチューブで作成しin vitro実験で評価した.その結果,大気解放で駆動時のポンプ拍出量4.3L/分に対し,in flowカニューラー体型コンプライアンスチャンバー使用時は1L/分と大幅に減少した.この原因はシリコーンチューブ内径が体積変化に対し不十分であったためであり,内側ソフトシェルデザインを改良デザインすることで拍出量の減少はお幅な改善が期待でき,In flowカニューレ一体型コンプライアンスチャンバーは拍動型人工心臓の課題であるコンプライアンスチャンバーの削減に大きく貢献できる技術であると思われる.
磁気カム式人工心臓は,カムローラの代わりにネオジム鉄磁石の反発力を応用したもので,モータの一方向回転運動を非接触に直線往復運動に変換するものである.位相が180度異なる磁気カムを超音波モータの両モータ軸端に固定しその外側に左右の血液ポンプを設置した.その結果,モーター方向回転で左右の磁気カムが交互に動作することで左右の液ポンプを稼働する完全人工心臓が実現できる.力学モデル上では動脈圧54mmHgまで稼働であったのに対し,実際に磁気カム式完全人工心臓を製作してin vitro実験で評価したところ,40mmHgの動脈圧までポンプは稼働可能であった.しかし同じ磁気カムの寸法であっても使用するネオジム鉄磁石の形状を変更し磁石部面積を1.6倍に増やすことで最高動脈圧100mmHgまで理論的には可能であることがわかり,モーター回転で非接触に運動変換して左右ポンプを稼働する新しい人工心臓アクチュエータとして期待できることが明らかになった.

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (13件)

  • [雑誌論文] Transcutaneous Energy Transmission System Having Hybrid Energy Coils for Driving an Implantable BVAD2009

    • 著者名/発表者名
      E.Okamoto, et.al
    • 雑誌名

      Artificial Organs 33(8)

      ページ: 622-626

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 拍動式補助人工心臓の改良とコンプライアンスチャンバーレス化の基礎研究2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 雑誌名

      電気学会研究会資料LD 09-34

      ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 磁気浮上式拍動型人工心臓に関する基礎研究2009

    • 著者名/発表者名
      清野隆司, 他
    • 雑誌名

      電気学会研究会資料LD 09-35

      ページ: 5-8

  • [雑誌論文] Sealing performance of a magnetic fluid seal for rotary blood pumps2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Mitamura, et.al
    • 雑誌名

      Artificial Organs 33(9)

      ページ: 770-773

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Magnetic Fluid Seal for Rotary Blood Pumps2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Mitamura, et.al
    • 雑誌名

      Proc.Sch Biol Sci Eng Tokai Univs 2

      ページ: 13-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] エネルギーと医用アクチュエーション-体内埋込み人工心臓を対象にして-2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 雑誌名

      平成21年度電気学会産業応用部門大会論文集III 2

      ページ: 109-112

  • [雑誌論文] 人工臓器-最新の進歩:人工心臓(基礎)2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治
    • 雑誌名

      人工臓器 38(3)

      ページ: 124-126

  • [雑誌論文] 連続流血液ポンプ用磁性流体軸シール:長期耐久性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      三田村好矩
    • 雑誌名

      平成21年度磁性流体連合講演会講演論文集 2009-12

      ページ: 34-37

  • [学会発表] 人工心臓システムのワイヤレス化に向けた要素技術開発と課題2010

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 学会等名
      第38回人工心臓と補助循環懇話会
    • 発表場所
      諏訪
    • 年月日
      2010-02-26
  • [学会発表] 磁気浮上式拍動型全置換型人工心臓に関する基礎研究2009

    • 著者名/発表者名
      清野隆司, 岡本英治, 岡田大史, 豊川賢寿, 三田村好矩
    • 学会等名
      第47回人工臓器学会大会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      20091112-20091114
  • [学会発表] 連続流血液ポンプ用磁性流体軸シール:長期耐久性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      三田村好矩, 他
    • 学会等名
      平成21年度磁性流体連合講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-12-03
  • [学会発表] 人工臓器における情報とエネルギー-新しい基盤技術の可能性-2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 学会等名
      第3回人工臓器の医工学研究会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-11-20
  • [学会発表] 連続流血液ポンプ用磁性流体軸シール:シール構造の検討2009

    • 著者名/発表者名
      三田村好矩, 他
    • 学会等名
      第47回人工臓器学会大会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2009-11-13
  • [学会発表] Intra-body communicationを適用した経皮的情報伝送システムの開発2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 学会等名
      第47回人工臓器学会大会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2009-11-13
  • [学会発表] 連続流血液ポンプ用磁性流体軸シール:シール周りの流れの影響の検討2009

    • 著者名/発表者名
      三田村好矩, 他
    • 学会等名
      日本定常流ポンプ研究会2009
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2009-11-12
  • [学会発表] 拍動式補助人工心臓の改良とコンプライアンスチャンバーレス化の基礎研究2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 学会等名
      リニアドライブ研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-20
  • [学会発表] 磁気浮上式拍動型人工心臓に関する基礎研究2009

    • 著者名/発表者名
      清野隆司, 他
    • 学会等名
      リニアドライブ研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-20
  • [学会発表] 埋込型補助人工心臓用バッテリーシステムの開発2009

    • 著者名/発表者名
      井上雄介, 他
    • 学会等名
      第47回人工臓器学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-20
  • [学会発表] エネルギーと医用アクチュエーションー埋込型人工臓器を対象にして-2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 学会等名
      電気学会産業応用部門大会
    • 発表場所
      津
    • 年月日
      2009-08-31
  • [学会発表] 医用アクチュエーション周辺要素技術の今後の展開2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治
    • 学会等名
      2009年度第1回人工臓器の医工学研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-06-17
  • [学会発表] 体内埋込み人工心臓用非侵襲体内-体外間直接通信システムの基礎開発2009

    • 著者名/発表者名
      岡本英治, 他
    • 学会等名
      第48回日本生体医工学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-04-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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