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2007 年度 実績報告書

ステレオコンプレックス化ポリ乳酸を用いた再生足場材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19500404
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

辻 秀人  豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (60227395)

キーワードポリ乳酸 / ステレオコンプレックス / ポリラクチド / 再生足場材料 / 生分解性高分子 / 再生医療 / 医用材料 / 生分解性ポリエステル
研究概要

平成19年度は,オクチル酸スズを開始剤として,D-ラクチドとL-ラクチドを開環重合することにより,重量平均分子量が10万以上の高分子量のポリ(L-乳酸)(PLLA)とポリ(D-乳酸)(PDLA)の合成し,再沈法により精製を行った。両ポリマーを溶融状態で混練し,成形することによりブレンド試料を得ると,熱分解による低分子量化が起こり,力学的特性が低下する。本研究では,これを避けるため,室温付近における溶媒キャスト法を用いることによりブレンド試料を作製し,通常の方法では良好にステレオコンプレックスを形成させることが困難とされる高分子量体PLLAおよびPDLAとのブレンドにおいて,ステレオコンプレックス形成を促進する条件を検討した。沸点(蒸発速度)の異なる種々の溶媒を用いて,室温付近の一定温度でキャスティングを繰り返すことによりブレンド試料を作製し,示差走査熱量分析(DSC)および広角X線回折法(WAXS)を用いて,ステレオコンプレックス結晶化度およびホモ結晶化度を評価することにより,溶媒の種類とキャスティングの反復回数が,ステレオコンプレックス形成に与える影響を評価した。その結果,溶媒の種類に依存せず,キャスティングの回数が増加するに従い,ホモ結晶化度は減少し,ステレオコンプレックス結晶化度は増加した。このことは,反復キャスト法が,高分子量PLLAとPDLAの間のステレオコンプレックス形成の促進に有効であることを示している。特に高沸点の溶媒においては,2回目のキャスティングでステレオコンプレックス結晶化度は著しく上昇した。これは高沸点溶媒の蒸発速度が他の溶媒に比べ非常に低いために,ステレオコンプレックスのみが形成される濃度領域を通過する時間が長くなったためであると推測される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Investigation of Phase Transitional Behavior of Poly(L-lactide)/Poly (D-lactide) Blend Used to Prepare the Highly-Oriented Stereocomplex2007

    • 著者名/発表者名
      Jianming Zhang, Koji Tashiro, Hldeto Tsuji, Abraham J.Domb
    • 雑誌名

      Macromolecules 40

      ページ: 1049-1054

    • 査読あり
  • [図書] ポリ乳酸-植物由来プラスチックの基礎と応用-2008

    • 著者名/発表者名
      辻 秀人
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      米田出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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