研究課題
ハイドロキシアパタイト(HAp)セラミックスの生体親和性に関してこれまで数多く報告されているが、セラミックス(焼結体)であるためにHAp結晶の方位や面がランダムであり、結晶の性質と特性との関係を正確に表わしていない。当該研究では、独自に開発したナノHAp複合化材料の表面特性(ナノHApの形状・サイズおよび表面被覆率)と当該新材料に接着した細胞の機能性を明らかにすることを目的とした。平成20年度では、当該材料の表面特性の制御を行い、さらに、当該材料に接着した細胞の接着・増殖挙動を明らかとするため、次に示すように材料側および細胞側からのアプローチに分けて検討した。ポリエチレンテレフタレートを基材として作製した複合材料のゼータ電位測定、および、ナノHAp表面のX線光電子分光分析を行った結果、ロッド状ナノHAp表面は球状ナノHAp表面に比べて高いプラス電荷を有することが明らかとなった。複合材料制御(2)ナノHApの被覆率の制御:ナノHApを基材に吸着させる際のナノHAp分散液の濃度を適量変化させることで、形状の異なるロッド状および球状ナノHApともに、表面被覆率の制御を達成した。各ナノ複合材料上での細胞移動状態を倒立顕微鏡にて経時的に観察した結果、ロッド状ナノHApを用いた場合よりも球状ナノHApを用いた場合の方が、細胞移動時間が短いことが明らかとなり、ナノHAp複合材料の表面性状と細胞接着性の関係を見出した。
すべて 2008 その他
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