研究概要 |
平成19年度においては、必要な要素技術の開発とその臨床データによる試用など、要素技術の基盤整備を行った。 具体的には,以下の内容の研究・開発を行い、学会などで発表した。 (1)拡散MRIを用いた脳腫瘍の診断・治療融合支援 拡散MRIにおいて,病変と運動機能に関わる主要な線維束の位置関係と症状の相関の検証により,抽出した線維束の信頼性を評価する方法の検討を行い、学会発表(ISMRM2007)を行った。 病変と特定機能神経束の空間的干渉や距離の計測を行う手法を開発し、その計測に基づき、特定機能神経束の表示色をマッピングする手法を開発した。(ISMRM2007) 脳腫瘍における精密領域抽出手法として、非等方拡散による平滑化手法を応用した領域抽出手法の検討を行い、実装を行った。 また、運動誘発電位モニタリング装置との連携を行うための、既存ソフトウェアのインターフェイスの改良を行った。 (2)脳動脈瘤の診断・治療融合支援 自動検出結果に基づく脳動脈瘤領域の精密領域抽出について検討を行い、画像解像度に対する依存性を評価した結果を学会にて発表を行った(医用画像フォーラム)。 また、動脈瘤周辺のパラメトリックなモデリング(円筒など)の初期検討として、ヘッセ行列による血管走行方向の推定、非等方モルフォロジー処理による血管径測定手法を開発した。 (3)共通技術基盤の開発 高速なレジストレーションのための類似度計算の高速化をSSE (Streaming SIMD Extention: Intel系プロセッサのためのアセンブリ命令)を用いて行い、学会で発表した(CADM2007)。 画像データの高速な非剛体変形手法として、SSEによるベクトル化に基づく高速な自由形状変形処理を実現した。同内容を研究会にて発表した(電子情報通信学会 医用画像研究会)。 また、関連する研究内容で論文誌に投稿を行い、採録された。
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