研究概要 |
平成20年度においては、臨床応用のための基盤技術の運用開始、症例の増加などによる評価信頼性の向上など、臨床応用を中心に研究を行った。具体的には,以下の内容の研究・開発を行い、論文誌への投稿、学会への発表および発表申し込みを行った。 (1)拡散MRIを用いた脳腫瘍の診断・治療融合支援 拡散MRIによる錐体路と病変の位置関係、および症状の相関の検証により,提案法により抽出した線維束の信頼性評価を行った。2症例による前年度の評価をさらに進めるため、症例を10例に増やして行った結果、提案法による錐体路の信頼性が明らかとなった。 この内容を、国際学会CARS(コンピュータ支援放射線医学および外科学)2008学会にて、口頭発表を行った。上記を含め、融合支援について臨床応用結果を学会(北米放射線医学会)にて発表予定である。 (2)脳動脈瘤の診断・治療融合支援 動脈瘤自動検出に基づく診断支援の実用化を実現するサーバシステム(下記の(3)参照)を開発し、実際に運用を開始し、医学放射線学会(2009年4月)にて発表予定である。 低画質のMRA像における血管の領域抽出について、変分法による手法を開発し、国際論文誌IEEE Trans. On lmage Processingにて発表を行った また、X線透視像下におけるコイル塞栓時の動脈瘤観察方向の最適化を行うシステムを開発し、臨床データで試用した。結果を日本医用画像工学会(2009年8月:演題申込済)にて発表予定である。 (3)共通技術基盤の開発と臨床運用 前年度までに開発した共通基盤について、国際学会IEEE CBMS(コンピュータによる医療システム)学会にて口頭発表を行った。 webブラウザによる病変自動検出結果参照が可能となるサーバシステムを開発し、運用を開始している。2009年3月で60症例以上の動脈瘤自動検出よりを行い、1日あたり3〜5症例で、週5日の処理を継続的に行っている。年度内に100例を達成する予定である。 上記の内容の他に、関連する内容で論文誌に投稿、採録されている。
|