研究課題/領域番号 |
19500428
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
飯島 尋子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80289066)
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研究分担者 |
森安 史典 東京医科大学, 医学部, 教授 (80191055)
西口 修平 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10192246)
西上 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70131589)
小野寺 正征 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40359922)
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キーワード | 超音波医学 / 検査診断システム / 肝臓病学 / 画像診断学 |
研究概要 |
[目的]非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝生検が唯一の診断方法である。しかしNAFLDのうちどのような症例に肝生検を施行すべきが明確な基準はない。NASH診断における造影超音波検査の有用性を検討したので報告する[方法]対象は健常ボランティア10例、単純性脂肪肝45例、NASH(F1〜3)21例である。Levovis1.25gを静脈投与し、5分、20分後のKupffer phase(delayed parenchymal phase)にて肝実質染影の輝度を測定した。[結果]NASHでは、単純性脂肪肝と比較して5分および20分の肝実質輝度が低下した。輝度の平均値は5分で健常ボランティア212±15、単純性脂肪肝176±22、NASH96±32、20分では、それぞれ191±11、145±115、29±19と明らかに低下していた。カットオフ値を5分137.8感度、特異度、正診率100%、95%、79.6%であった。カットオフ値を20分43.6と設定すると感度、特異度、正診率100%、95%、97%であり高い診断能を有した。[考察]Levovistは、肝臓のマクロファージに貪食され投与し5分以降肝実質相を撮像することでクッパー機能が評価できる。これまでの検討では、肝癌の分化度診断に有用である。これを応用し本研究を考案した結果、NASHでは脂肪肝や健常人と比較して肝実質相の染影が低下していることが解った。すなわち、NASHの一因として肝臓のクッパー細胞の機能低下が考えられる。また、Levovist造影超音波検査によるNASHと脂肪肝の非侵襲的機能診断法を確立した。 [結論]Levovist造影超音波検査は単純性脂肪肝とNASHの鑑別に有用である。ラットによる基礎的検討では、NASHの原因としKupffer細胞食食機能低下が一因であると考えられた。
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