当研究は、臨床用MRI検査室内で実用可能な動的(ダイナミック)運動負荷装置を開発することを目的とする。 1. MRI検査室用可ダイナミック運動負荷装置の改良 : 前年度試作した、運動負荷装置を、ステルスなどの非磁性体部品を用いて改良した。 2. 改良した運動負荷装置のMRI検査室での動作試験と評価 : 改良したダイナミック運動負荷試験装置を臨床用MRI検査室内に持ち込み基礎検討を行った結果、高磁場に対する安全性が確認でき、さらに運動負荷装置は安定に動作することが確かめられた。また運動負荷装置が各種ファントムのMRI画像に影響を与えず、シネMRIおよびリンMRSが可能であった。 3. 改良した運動負荷装置の健常人による検討 : MRI検査室内でのダイナミック運動負荷試験が可能かどうか調べるため、健常人による初期検討を行った。その結果、改良した運動負荷装置の使用によって、収縮期血圧が約1.6倍以上、心拍数が約1.8倍以上有意に上昇し、この負荷装置は、十分な負荷強度を有していることが確かめられた。さらに運動負荷前後のおけるシネMRIおよびリンMRSが可能であった。今後は多数の健常人により検討を続け、さらに臨床応用を目指したい。 4. 運動負荷強度の基礎的検討 : 健常人においてハンドグリップ負荷時によるMRIを行った結果は、欧文誌Acta Cardiologicaに掲載された。今後は、本成果(MRI検査用ダイナミック運動負荷装置の開発)について、学会発表および論文投稿を行う予定である。さらに特許申請へ向け、現在準備中である。 〔連携研究者〕 : 上月正博(東北大学医学系研究科教授)、洞口正之(東北大学名誉教授) 〔研究者協力者〕 : 永坂竜男(東北大学付属病院主任技師)
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