本年度は、MRI健常者を対象に日本語の文章を読むときの眼球運動と脳活動のアイカメラとファンクショナルMRIを用いての計測を続行した。 欧米語と異なり単語と単語の間を空けず、漢字と仮名を用いるという日本語文の特徴に合致し、文を読むときの注意のスポットに相当する脳部位を1次視覚皮質内で同定できるような刺激対を用い、眼球運動と脳活動を同時測定した。すなわち、作成した刺激を読んでいるときの脳活動を各個人ごと、3テスラのフアンクショナルMRI、ブロックデザインで計測、同時にアイカメラで眼球運動を記録した。また、各個人の1次視覚皮質の範囲、視野上の座標と1次視覚皮質の座標の対応を求めた。両者の位置、時間関係を解析し、その時呼んでいる文字のある注視店のみでなく、次の漢字群の開始位置に注意のスポットライトを当て、そこに向かって衝動性眼球運動を行っていることが、ファンクショナルMRIとアイカメラ両者の結果から明らかになった。 今後対象者を増やし。結果の確認を行う。また、同じ実験を1次視覚皮質の保たれた半盲性難読患者で行い健常者と、難読患者で読みがうまくいかない脳機構を解明していく。その知見に基づいてリハビリテーショシの開発を行うことができる。さらに、半盲性難読患者が改善した1次視覚皮質の保たれた半盲患者に同様の検査を行い、代償の脳機構を知ることができる。
|