研究課題/領域番号 |
19500447
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
立入 哉 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90294777)
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研究分担者 |
三科 潤 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60277192)
富澤 晃文 目白大学, 保健医療学部, 講師 (80433671)
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キーワード | 聴覚障害 / 実耳特性 / ノンリニア補聴器 / インサートイヤホン / VRA / 乳幼児 |
研究概要 |
1.目的:乳幼児の実耳特性(RECD値)を考慮したノンリニア補聴器の特性評価法の開発と適用を目的とした。 2.方法:聴覚障害をもつ1〜2歳児23名を対象に、3Aインサートイヤホンを使用した聴力測定法(visual reinforcement audiometry)を施行し、各耳における反応閾値(dBHL:オージオメータのダイヤル値)を測定した。反応閾値にはCDD(2cc coupler-to-dial difference)値を加算し、2ccカプラ内音圧レベルへ換算を行った。換算された反応閾値をノンリニア補聴器の周波数特性図に重ね合わせることにより、反応閾値上の補聴器の増幅特性の検証を行った。 3.成果:本研究の主たる成果は、以下の2点である。(1)インサートイヤホンによって測定した各耳の反応閾値を、2ccカプラ内音圧レベルに換算することにより、反応閾値とノンリニア補聴器の出力特性を直接、比較することが可能となった。(2)補聴器装着時とインサートイヤホン装着時のイヤモールドによる実耳特性は、同一とみなせる。したがって、本研究の手法により、乳幼児のRECD値の大小に関わらず、反応閾値と補聴器の出力特性を同じデシベル尺度上で比較させることが可能になった。本手法は、特に乳幼児のノンリニア補聴器の適合において、補聴器装用下の閾値測定からは読み取ることができない閾値上の増幅特性を評価可能にした点、および乳幼児特有の実耳特性の算入に関わる問題を解決した点において、意義がみとめられる。
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