Conjoint分析を用いて、11項目の廃用リスク因子から重み付けのある廃用リスクスコアを開発した。廃用症候群の診断基準の開発では、入院からリハ科併診まで7日以上で20歳以上の連続症例294例(平均66.7歳±15.8)を対象とし、5段階廃用障害度評定に対する廃用リスクスコア、廃用トリガー程度(4段階)、廃用トリガー後要因(11項目)、廃用徴候(11項目)などの関連を分散分析、ROC曲線、重回帰分析にて検定した。その結果、廃用障害度評定に対して、前記の4変数は分散分析にて有意であった。これらを含めた10独立変数による重回帰分析は、R2=0.674であった。ROC曲線は、廃用徴候点5.5点、廃用トリガー後要因点2.5点で、それぞれ感度が0.921、0.818、1-特異度が0.089、0.111であった。以上より、廃用症候群の診断基準は、廃用トリガーの作動、廃用徴候点6点以上、廃用トリガー後要因点3点以上であった。廃用徴候点など5独立変数の重回帰式により廃用障害度スコアを計算できた。
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