研究概要 |
平成20年度では、病態,血液透析治療の成績に問題がないこと,その他の併存する疾患に増悪が見られないこと,さらには運動機能の著しい低下がないことを3ヶ月間の観察期間を設けて確認した後に,血液透析治時間内に運動療法(8週間)を施行した.本年度に運動療法を施行可能な症例は5例であった.その結果、血液透析開始直後1時間以内において運動療法が安全に実施可能であり、運動中の心循環応答だけでなく、血液透析治療自体に悪影響を及ぼさないことが認められた。さらに,本年度は運動療法の効果を検証した.以下,研究成果を下記に箇条書きにまとめた. 1.血液透析治療時間内の運動療法における心循環反応(心電図、心拍数、血圧、酸素飽和度、自律神経活動等)を継続的に記録し、異常反応がないことを確認した。 2.運動療法実施日と非実施日の腎機能および血液データを比較し、血液透析治療時間内の運動療法が血液透析治療自体に悪影響を及ぼさないことを確認した。 3.8週間の運動療法の結果,最高酸素摂取量,下肢筋力,連続運動時間,1週間の身体活動量の増加を認めた.なお,自律神経活動の不均衡の是正に至る結果は認められなかった. 4.日常生活動作(とくに,移動動作)における困難感の改善が全症例に認められた. なお,平成21年度では,症例を増やし,論文としてまとめる予定である.
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