研究課題/領域番号 |
19500461
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
植木 純 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (50203427)
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研究分担者 |
黒澤 一 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (60333788)
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キーワード | リハビリテーション / 呼吸リハビリテーション / コンディショニング / COPD / 国際研究者交流 / イギリス |
研究概要 |
わが国の呼吸リハビリテーションは、欧米とは視点が大きく異なり、全身持久力、筋力トレーニングに比して呼吸筋、呼吸補助筋を含む全身の柔軟性トレーニングや呼吸法の指導が経験的に重視されている。呼吸器関連3学会の呼吸リハビリテーションマニュアル作成において、研究代表者らは、わが国におけるこれらのさまざまなトレーニング手技2を、「コンディショニング」として新しく位置づけたが、科学的な効果のエビデンスは委員会委員の経験に基づく推奨レベルに止まっている。本年度は、2名の研究協力者がさらに参画し、「コンディショニング」に含まれる手技について、科学的な裏付けを文献的に評価するとともに、最適な手技を抽出し標準化を行った。主な手技は、1)呼吸パターンの修正a)呼吸法の修正、b)吸気/呼気比の修正、c)動作と呼吸の同調性の習得、2)呼吸運動パターンの修正、a)胸郭可動性の修正(徒手胸部圧迫法)、b)呼吸補助筋、腹筋の柔軟性の改善、c)脊柱の柔軟性、姿勢の改善、3)全身柔軟性の改善(四肢、体幹筋)で構成される。同時に、来年度に行う「コンディショニング」の効果を科学的に検証するための多施設問研究の準備を行った。本研究は、「コンディショニング」を取り入れていない英国と、臨床的な共同研旨究を行う点においてその意義は大きい。本年度は、研究協力者であるPJones教授のロンドン大学附属St George's病院を訪れ、RGarrod理学療法士や関連病院の理学療法士らに「コンディショニング」の実技指導を行った。また、「コンディショニング」法の位置づけ、相違点を目英間で明らかにするためのサーベイの最終調整も終了した。本研究の遂行により、「コンディショニング」の位置づけ、効果が国際的に明らかにされ、同時に、わが国の技術が今後世界に普及し、多くの慢性呼吸器疾患患者の症状、QOLがさらに改善することが期待される。
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