研究課題/領域番号 |
19500461
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
植木 純 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (50203427)
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研究分担者 |
黒澤 一 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (60333788)
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キーワード | リハビリテーション / 呼吸リハビリテーション / コンディショニング / COPD / 国際研究者交流 / イギリス |
研究概要 |
本年度は6名の研究協力者とともに本研究を遂行した。日英共同で行ったサーベイにより、両国の呼吸リハビリテーションの現状や、わが国で重視されている呼吸、呼吸運動パターンの修正、全身柔軟性の改善等の手技であるコンディショニングの両国間における位置づけの相違点を明らかにした。呼吸リハビリテーションが対象となる疾患は日本で肺炎(94.1%vs44.4%)、英国で気管支拡張症(41.2vs94.4%)が多かったが、COPD(88.2vs100%)等他の疾患では差がなかった(調査対象:呼吸リハビリテーションを専門とする理学療法士;日本n=51、英国n=32([専門看護師2])。コンディショニングの認知度は、英国では19.4%であった(日本80.4%)。呼吸パターン修正への介入は、両国とも差がなかったが、徒手胸郭圧迫法(11.1vs84.3%)をはじめとする呼吸補助筋、大胸筋、背筋の柔軟性の改善、脊柱の柔軟性改善などの手技、いわゆる徒手胸郭可動域練習の施行は英国で実際に極めて低かった。一方、徒手による呼吸時や運動時の姿勢の改善は両国とも同様に重視していた(60.8vs61.1%)。効果の検証に関しては、研究協力施設のロンドン大学附属St George's病院でコンディショニングの実技指導や確認を行った。多施設問研究のプロトコールは、ステージII以上のCOPD患者を対象として、無作為的に介入群「呼吸コンディショニングおよび運動療法群」および対照群「呼吸法および運動療法群」の2群で行うものである。順天堂大学、東北大学の倫理委員会で承認されたが、現在、St George's病院での倫理委員会の承認に時間を要している。承認後開始を予定している。また、多施設間研究で用いる英語版の「コンディショニング」の手技はホームページで公開し英国サーベイ協力者にURLを連絡する準備を進めている。今後も、わが国の技術の普及や国際的な共同研究の展開を予定する。
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