研究概要 |
1. 生徒の検査と心理教育の改善山口は, 交感神経マーカーである唾液アミラーゼの測定システムを用いた児童のストレス評価手法について調査を行い, 既存の質問紙票による診断に比べ本手法による診断は迅速, 簡便にかつ客観的に診断が可能であることを確認した。 2. 唾液バイオマーカーの探索山口は, 唾液から分析可能で, かつ心身状態との相関が認められるバイオマーカーとして, 交感神経マーカー, 内分泌マーカー, 免疫マーカーの3つを特定した。 特に, 内分泌マーカーの唾液分析を可能とするために, 初年度の結果をもとに, 生体内に極微量にしか存在しないコルチゾールを, 10分ほどで迅速に検出するのに用いる新規分析試薬を考案し, それを用いた内分泌マーカーの迅速分析技術についての基本性能を実験で検証することで, マルチ唾液バイオマーカー分析機器の実現のための要素技術開発を完了した。また, 本技術を, 他のストレスマーカーである皮膚酵素等の迅速分析への応用も開始した。 竹田は, 小児がん患児8名(男児3名, 女児5名 ; 3歳〜15歳)を対象として, 病弱児におけるストレス検査を実施し, 骨髄穿刺, 腰椎穿刺等の侵襲的な医療処置の前後における唾液アミラーゼ活性値を測定することで, 児童生徒の心身状態が, 唾液バイオマーカーに反映されることを検証した。
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