研究概要 |
本研究では,手動操作が困難な身障者や高齢者が「唇の動き」で操作できる「介護用電動車いす」の開発を目指す.そのため,唇の動きから言葉を理解するために読唇手法について,従来手法と比較検討を行い認識率の向上を目指す.さらに読唇処理のリアルタイム処理の考え方を取り入れたアルゴリズムの開発を行う.以下に研究成果を列挙する. 1)読唇の技術基盤として,唇の動きから日本語5母音,日本語45音,日本語10単語などの読唇に関する様々な対象題に対する認識に取り組んだ.そして提案手法である口内領域より計測できる面積とアスペクト比に基づくトラジェクトリ特徴量が,従来の唇領域を用いる手法や隠れマルコフモデルを用いる手法などと比較して高い認識率を得られることを確認した.その研究内容は国内学会発表,国際会議1件や学術論文誌2編で報告した. 2)単語認識において,100単語以上の中規模単語数や日本語以外の他言語に対する認識実験を試み,トラジェクトリ特徴量が高い認識率を得られることを確認した.この成果は,国内学会で発表予定であり,国際会議に投稿した 3)読唇処理のリアルタイム処理化として,顔の動きに影響を受けずに口内領域を抽出し,正規化処理を適用することにより単音を認識する手法を提案した.この成果に関しては,国内で学会発表2件を行い,国際会議に投稿した. 4)リアルタイムロ内領域を利用して,電動車いすの走行制御に取り組んだ.屋内外の光源環境の変化にロバストに口の開閉動作を検出し,健常者5人に対して屋内外で「唇の動き」のみで電動車いすを走行させた.研究内容は国際会議2件で発表した.
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