研究概要 |
本研究課題では,口唇の動きにより発話内容を認識し,その意図に応じて車いすを制御するシステムの開発を目指す.以下に研究成果を列挙する. 1)読唇の基礎技術に関する研究:日本語45音の認識成果を学術論文誌1編で報告した.日本語を含め4ヶ国語各20単語に対する認識に取り組み,国内学会1件,国際会議1件で報告した.これまで報告されていない大規模単語数として日本語173単語を試み,さらに誤認識を解析するため,読話教材で用いられている資料をもとに,発話時の口唇の動きを記号列化した.これを用いて認識結果を解析した結果,同一あるいは似た口唇の記号列が互いに誤認識する傾向が観測された.これらの研究内容は国内学会で発表した.さらに,これまで主に取り組んできた正面顔画像だけでなく,側面から撮影した顔画像を用いて日本語5母音,日本語20単語の読唇に取り組み,その成果を国内で学会発表した. 2)読唇技術のリアルタイム化に関する研究:車いす走行時の光源環境の変化やユーザの顔の動きに対してロバストにするための正規化を施し,さらにリアルタイム化を図った.この成果は国内学会で発表し,また国際会議1件の発表を予定している. 3)電動車いすの制御に関する研究:超音波センサや赤外線センサを搭載して,壁などの障害物に衝突しそうな場合に,自動的に減速,回避,停止する走行制御に取り組んだ.音声操作型の電動車いすに実装し,健常者5名に対して,様々なコースにおいて走行実験を行った.研究成果を国内学会で発表し,また国際会議2件に投稿した.
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