本研究では、非健常者の安心を支援するシステムとして、どこでもキーボード、どこでもリモコン、プライバシー付き監視システムを実現する。まず、手書きのキーボードやリモコンボタンをTVカメラで認識する必要がある。図形を高速に認識できなければ、実用化には到達しない。そこで今年度は、前年度提案した高速認識アルゴリズムを改良した。前年のモデルは直線、円、楕円を高速に抽出することができる。今年度は、これを改良し、手書き図形などの任意図形を高速に抽出できる方法を提案した。またその応用として、運転中に高齢者ドライバーをすばやく見つけるために、高齢者マークを高速に見つける方法も提案した。この方法を用いて、前年度作成したWEBカメラを用いたどこでもリモコンシステムの精度向上を図った。また、どこでもキーボードに関しては、高齢者がキーボードを操作すること自体、困難な作業である。操作ボタンを少なくし、必要なボタンのみ操作すれば、リモコンボタンと同じであるため、どこでもリモコンと統合した。また、実用化に向けて低価格化を視野に入れた場合、本システムはカメラと画像処理が必要であるため、コンピュータのパワーも必要となり、低価格化が困難となる。そこで、すりガラスを用いたリモコンシステムを構築した。この方法は、手書き図形の換わりにすりガラスを用いるものであり、カメラ、画像処理を必要とせず、低価格化が見込まれる。そのための基礎実験から装置試作までを行った。プライバシー付き監視システムについては、そのコアとなる積分型1次元ラインセンサを試作した。
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