研究概要 |
1.起立動作に有効な運動戦略を利用した手すりの軌道を検討 力制御戦略を用いた健常者の起立動作の肩峰軌道を基に手すりの軌道を作成した.その軌道を用いて手すりでパーキンソン病患者の重心の動きを誘導した場合,手すりを固定して使用するよりも効果的な結果を得た. 2.重心移動をベースとしたリアルタイム軌道生成 重心移動によって足部の支持基底面内の垂直反力が変化するために,垂直反力を計測できる垂直反力計を作成した.その垂直反力から軌道を生成するために軌道生成プログラムを開発した. 3.開発したプログラムの評価及び軌道の検討 軌道生成プログラムを用いて,パーキンソン病患者に起立動作実験を行った.その結果,閾値80[%]で軌道を斜め上方向に変化させた場合,下肢の筋力の負荷をパーキンソン病患者が発揮可能な筋力まで低減させることができた.これらのことから,体重の80%の力が足部の支持基底面に加わるまで手すりを斜め下方向に移動させて,その後殿部離床に移行するまで斜め上方向に移動させる軌道が安定した起立動作を誘導するために有効であると確認された. 4.試作1号機で得た知見をもとに小型インテリジェント手すりを設計試作した. 5.インテリジェント手すりにおいて開発した起立支援プログラムの電動車椅子に応用実験を行った.この方法で,独力で起立困難なパーキンソン患者が起立可能であることが立証された.
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